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日本文学

太宰治『新ハムレット』の登場人物、あらすじ、感想

 『新ハムレット』は、1941年に発表された太宰治の作品です。全時代的で世界的な戯曲として名高いシェイクスピアの代表作『ハムレット』から、主人公のデンマーク王国の王子ハムレットをはじめとして、その叔父で現王クローヂヤス、ハムレットの母親で、現王妃でもあるガーツルード、王の家臣ポローニヤス、その息子レイヤチーズと娘のオフィーリヤ、ハムレットの友人ホレーショーといった主要登場人物が、原作とは異なった展 […]

谷崎潤一郎『魔術師』の登場人物、あらすじ、感想

 『魔術師』は、1917年1月、雑誌『新思潮』に発表された谷崎潤一郎の短編小説です。人間の心を意のままに操る魔術師に魅了される男の姿が描かれ、耽美主義と言われる谷崎潤一郎の初期から中期における作品の特徴が顕著に現れた作品です。過激ともいえる修辞上の技巧を凝らした文章で書かれた作品で、谷崎潤一郎自身はこの作品について、「作者が真に縷骨彫骨の苦しみをもって書いたもの」という言葉を残しています。このペー […]

小林多喜二『一九二八・三・十五』の登場人物、あらすじ、感想

 『一九二八・三・十五』は、1928年に発表された小林多喜二の代表作です。小林多喜二は、小作農の父と、日雇いの母の間に秋田県で生まれ、四歳の頃に小樽に渡りました。学業に優れていたため、金持ちの親類に学資を出してもらいながら高校に通っていたものの、生活は貧しく、パン工場での手伝いをしていたようです。やがて小樽の銀行に勤務するようになると、生活の安定を得ながらも、インテリゲンチャとして革命運動に身を投 […]

谷崎潤一郎『人魚の嘆き』の登場人物、あらすじ、感想

 『人魚の嘆き』は1917年に「中央公論」に発表された谷崎潤一郎の短編小説です。清王朝の最盛期と言われる第六代皇帝の乾隆帝の頃の南京を舞台に、富、名声、美貌を持ち、放蕩のかぎりを尽くした青年が、他国の商人から手に入れた人魚に魅惑される物語です。このページでは、登場人物、あらすじ、感想を紹介します。 リンク 『人魚の嘆き』の登場人物 孟世燾清王朝時代の南京に住む貴公子。類稀な美貌と才知の持ち主で、幼 […]

太宰治『新ハムレット』の詳しいあらすじ

太宰治作『新ハムレット』の詳しいあらすじを紹介します。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※もっと簡単なあらすじはこちら(『新ハムレット』トップページ) はしがき  この作品は『ハムレット』の注釈書でも新解釈でもなく、作者の創造の遊戯に過ぎないということ、戯曲のつもりで書いたのではなく、あくまで小説だと思ってもらいたいこと、坪内博士の「ハムレット」と、浦口文治の新評註ハムレットを一通り読み、四ヶ月か […]

小林多喜二『一九二八年三月十五日』の詳しいあらすじ

小林多喜二作『一九二八年三月十五日』(または『一九二八・三・一五』)の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※簡単なあらすじはこちら(『一九二八・三・一五』トップページ) 一  小樽の合同労働組合の組合員であった小川竜吉の家には、工藤、坂西、鈴本といった同志たちが集まり、しばしば活発な論議が行われていました。 レーニンやマルクスの名前しか知らない竜吉の妻お恵は、はじ […]

谷崎潤一郎『細雪』の詳しい登場人物一覧

谷崎潤一郎作『細雪』の登場人物を詳しく紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※もっと簡単な登場人物紹介、あらすじはこちら(『細雪』トップページ) ※詳しいあらすじはこちら上巻  中巻  下巻 薪岡幸子大阪船場に店舗を構え、大正時代の末頃に全盛を極めていた薪岡家の次女。鶴子の妹、雪子と妙子の姉。大正六年の十五歳の頃に母を享年三十七歳で、大正十四年の十二月に脳溢血で父を享年五十四歳で失 […]

谷崎潤一郎『細雪』の登場人物、あらすじ、感想

 『細雪』は、1943年から1948年にかけて発表された谷崎潤一郎の長編小説です。 1886年に日本橋に生まれ、幼い頃から秀才として頭角を表していた谷崎潤一郎は、東京帝国大学在学中に執筆した『刺青』での輝かしいデビュー以来、『痴人の愛』、『春琴抄』、『卍』といった、当時としては衝撃的な内容の作品を次々に発表し、明治末期から昭和初期にかけての近代文学における一時代を築いた大文豪です。 『細雪』は、太 […]

谷崎潤一郎『細雪』(下巻)の詳しいあらすじ

谷崎潤一郎作『細雪』の中巻のあらすじを詳しく紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※他の部分のあらすじはこちら上巻  中巻 ※全体の簡単なあらすじはこちら ※詳しい登場人物一覧はこちら 沢崎と雪子の見合い  幸子に呼び寄せられて東京を出立し、以来四ヶ月も蘆屋に住んでいた雪子は、本人も帰るつもりもなくなって関西に根を下ろしたようになっていましたが、六月になると、珍しく鶴子から縁談の知 […]

谷崎潤一郎『細雪』(中巻)の詳しいあらすじ

谷崎潤一郎作『細雪』の中巻のあらすじを詳しく紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※他の部分のあらすじはこちら上巻  下巻 ※全体の簡単なあらすじはこちら ※詳しい登場人物一覧はこちら 洋行を希望する妙子  盛りの時期を越した庭の花を幸子がむしっていると、お春がやって来て、奥畑が訪れて来たことを知らせました。 三十一、二歳になっていた奥畑は、以前より肥満し、紳士らしくなっていました […]