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井上靖

井上靖『敦煌』の登場人物、あらすじ、感想

 一九五九年発表の井上靖の長編小説『敦煌』は、十一世紀の中国を舞台にした歴史小説です。当時の中国であった宋の西方では、チベット系民族の李元昊(りげんこう)が率いる西夏が、この地の覇権を握ろうとしていました。西夏はもともと宋の地方組織でしたが、次第に勢力を増すと、一〇三六年に宋の支配下であった沙州(現在の敦煌)へと兵を進めて制圧し、その翌々年に李元昊が皇帝を名乗り建国します。  沙州はシルクロードの […]