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レフ・トルストイ

レフ・トルストイ『悪魔』の登場人物、あらすじ、感想

 『悪魔』(ロシア語:Дьявол)は、結婚前に関係を持っていた女性の肉体を忘れられられずに懊悩する男エヴゲーニイの破滅を描いた作品です。  トルストイは、三十四歳の頃に、宮廷医の娘であった十八歳のソフィヤ・アンドレーエヴナとの結婚を果たしますが、その結婚よりも前から自分の領地にいた農民の女性と関係を持っており、子供も作っていたようです。『悪魔』は、(諸説あるようですが)その時の経験をもとに書かれ […]

レフ・トルストイ『クロイツェル・ソナタ』の登場人物、あらすじ、感想

 『クロイツェル・ソナタ』は、1891年に出版されたレフ・トルストイの小説です。 題名にも使われている『クロイツェル・ソナタ』は、1803年に作曲されたベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第九番のことを指しており、この作品中で重要な役割を果たしています。 この作品は、出版の前年には既に出来上がっていたものの、ロシアの検閲から発表を許されなかったため、ソフィア夫人が自らペテルブルクの皇帝アレクサンドル […]

レフ・トルストイ『悪魔』の詳しいあらすじ

トルストイ作『悪魔』(ロシア語:Дьявол)の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※簡単なあらすじはこちら(『悪魔』トップページ) 領地の経営を始めるエヴゲーニイ  エヴゲーニイ・イルチェーニェフは立派な家庭に生まれ、ペテルブルク大学法学部を優秀な成績で卒業し、大臣の口利きである省に勤め始めていました。近頃死んだ父親は、近衛騎兵隊に勤務する兄とエヴゲーニイに六千 […]

レフ・トルストイ『クロイツェル・ソナタ』の詳しいあらすじ

レフ・トルストイ作『クロイツェル・ソナタ』の詳しいあらすじを紹介するページです。 リンク ※ネタバレ内容を含みます。 ※もっと簡単なあらすじはこちら(『クロイツェル・ソナタ』トップページ) ポズドヌイシェフとの出会い  早春、「私」は、二昼夜にわたり汽車の旅を続けていました。「私」の他には、不器量なタバコ好きの中年の婦人、その知り合いで、四十歳くらいの話し好きな弁護士、そして一人で離れて座っている […]

レフ・トルストイ『戦争と平和』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『戦争と平和』は、一八六五年から一八六九年にかけて発表された、レフ・トルストイの長編小説です。 ロシアにとって激動の時代であった、対ナポレオン戦争の間の一八〇五年から一八一三年(エピローグを含めると一八二〇年まで)を舞台とし、史実と創作を織り交ぜながら、その時代に生きる人々のドラマが描かれた作品です。  多くの優れた作家を輩出した十九世紀は、ロシア文学史における黄金時代と言われています。トルスト […]

レフ・トルストイ『戦争と平和』(エピローグ)の詳しいあらすじ

 レフ・トルストイ作『戦争と平和』のエピローグのあらすじです。 エピローグ第一篇の主な舞台は1820年、つまり戦争によって崩壊した秩序を取り戻すために、アレクサンドル一世が中心となって治世を行ったウィーン体制の時代です 第四部の終わりから七年が経ち、ピエール、ニコライ、ナターシャ、マリアといった登場人物たちは、成熟した大人になっています。ドラマティックな展開であった第一部から第四部に比べると、この […]

レフ・トルストイ『戦争と平和』(第四部)の詳しいあらすじ

 レフ・トルストイ作『戦争と平和』第四部のあらすじです。第四部では、ボロジノ戦後、ロシア各地で繰り広げられる登場人物たちのドラマが描かれます。ロシア人はモスクワを放棄し、軍人以外の農民、地主、僧ら、あらゆる階層の人々がパルチザンと呼ばれるゲリラを組織し、撤退しゆくフランス軍を攻撃します。いわゆる総力戦の様相を呈す中、この作品の登場人物たちも、かつてない厳しい生活を強いられます。肉体、精神の極限とも […]

レフ・トルストイ『戦争と平和』(第三部)の詳しいあらすじ

 レフ・トルストイ作『戦争と平和』第三部のあらすじです。第三部は、1812年6月のナポレオン軍のネマン河渡河から、同年8月のボロジノの戦い、そして9月のモスクワ大火までが舞台となっています。第一部、第二部で急ピッチに進んでいた物語は、この作品中の最大のクライマックスであるボロジノ戦を迎え、じっくりと凝縮されます。ロシア本国で祖国戦争と言われる大事件の渦中で、ピエール、アンドレイ、ナターシャ、ニコラ […]

レフ・トルストイ『戦争と平和』(第二部)の詳しいあらすじ

 レフ・トルストイ作『戦争と平和』第二部のあらすじです。第二部の舞台は、1806年のアウステルリッツ戦の敗戦後のモスクワから始まります。その翌年、ナポレオンとアレクサンドル一世の会見によって締結されたティルジット条約により、ロシア国民は、フランスに対する屈辱を感じながらも束の間の平和を満喫します。内政では、ロシア自由主義の祖と言われるスペランスキーが絶頂期を迎え、立憲制国家を目指した改革を推し進め […]

レフ・トルストイ『戦争と平和』(第一部)の詳しいあらすじ

レフ・トルストイ作『戦争と平和』(第一部)の詳しいあらすじです。文豪と言われるトルストイの作品の中でも最大の長編で、日本語訳の文庫本で約3000ページにも及ぶ大作です。このブログでは、第一部から第四部およびエピローグを分けて紹介します。 リンク ※ネタバレです。目次を開いてもネタバレします。 ※他の部分のあらすじはこちら第二部  第三部  第四部  エピローグ ※全体の簡単なあらすじはこちら(『戦 […]