太宰治『新ハムレット』の登場人物、あらすじ、感想
『新ハムレット』は、1941年に発表された太宰治の作品です。全時代的で世界的な戯曲として名高いシェイクスピアの代表作『ハムレット』から、主人公のデンマーク王国の王子ハムレットをはじめとして、その叔父で現王クローヂヤス、ハムレットの母親で、現王妃でもあるガーツルード、王の家臣ポローニヤス、その息子レイヤチーズと娘のオフィーリヤ、ハムレットの友人ホレーショーといった主要登場人物が、原作とは異なった展 […]
『新ハムレット』は、1941年に発表された太宰治の作品です。全時代的で世界的な戯曲として名高いシェイクスピアの代表作『ハムレット』から、主人公のデンマーク王国の王子ハムレットをはじめとして、その叔父で現王クローヂヤス、ハムレットの母親で、現王妃でもあるガーツルード、王の家臣ポローニヤス、その息子レイヤチーズと娘のオフィーリヤ、ハムレットの友人ホレーショーといった主要登場人物が、原作とは異なった展 […]
太宰治作『新ハムレット』の詳しいあらすじを紹介します。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※もっと簡単なあらすじはこちら(『新ハムレット』トップページ) はしがき この作品は『ハムレット』の注釈書でも新解釈でもなく、作者の創造の遊戯に過ぎないということ、戯曲のつもりで書いたのではなく、あくまで小説だと思ってもらいたいこと、坪内博士の「ハムレット」と、浦口文治の新評註ハムレットを一通り読み、四ヶ月か […]
『饗応夫人』は、1948年(昭和23年)に発表された太宰治の短編小説で、心身をすり減らしてまでお客をもてなさずにはいられない一人の戦争未亡人の姿が、家に住み込む女中の視点で描かれた作品です。 このページでは、『饗応夫人』の登場人物、あらすじ、感想を紹介します。 リンク ※ネタバレ内容を含みます。 『饗応夫人』の登場人物 奥さま福島県の豪農の生まれ。本郷の大学の先生であった夫と世間を知らずにのんび […]
『グッド・バイ』は、1948年に発表された太宰治の小説です。 朝日新聞社から連載小説の依頼を受けた太宰治が、不朽の名作『人間失格』を書き終えた後の、1948年の5月から書き始められた作品です。十三話から成り、そのうちの第一回から第十回までの原稿を朝日新聞社に渡した後、太宰治は愛人の山崎豊栄と玉川上水に入水し、自殺を遂げました。その後第十一回から第十三回までの原稿が残されているのが発見され、未完の […]
『冬の花火』は、1946年に発表された太宰治の戯曲です。太宰治がデビュー後に残した二つの戯曲のうちのひとつ(もうひとつは『春の枯葉』)で、津軽地方のある部落にある地主の家を舞台に、敗戦後の日本で、新しい理想郷を夢見て傷ついていく人々が描かれます。 作品全体に漂う侘しい雰囲気や、やるせない思いを抱えて煩悶する登場人物など、太宰治らしさを失わないまま、戯曲ならではのドラマチックな展開を楽しめる作品と […]
『メリイクリスマス』は、1947年に発表された太宰治の短編です。 戦後まもなくの十二月の東京を舞台に、津軽の生家から戻った語り手が、以前親交のあった二十歳になる娘にばったりと出会い、空襲で息を引き取ったその娘の母親の死を悼む物語です。 知名度はそれほど高くありませんが、やるせないストーリーの中にも、人間らしい可笑しみを感じさせてくれる好短編となっています。 このページでは、『メリイクリスマス』の […]
『畜犬談』は、1939年(昭和14年)に発表された太宰治の短編小説です。太宰治の作品の特徴の一つである、ユーモアのセンスが遺憾なく発揮され、笑いを誘う文章を楽しむことができる作品となっています。 このページでは『畜犬談』の登場人物、あらすじ、感想を紹介します。 リンク ※ネタバレ内容を含みます。 『畜犬談』の登場人物・犬 私いつの日か犬に食いつかれるであろうという確信を持ち、犬を嫌悪している。 […]
『きりぎりす』は、1940年に発表された太宰治の短編小説です。太宰治が得意とする、女性の一人称で書かれた作品の一つで、急に売れっ子になった画家の妻が語り手になっています。 名声を得るにつれ、金にこだわり、陰口ばかりをたたく嘘つきな男になってしまった夫の変化が妻からの視点で語られます。その一方で、その変化を受け入れることができない語り手の偏狭さや強すぎる自己愛も客観的な視点から読み取ることができ、 […]
『皮膚と心』は、1940年に発表された太宰治の短編小説です。太宰治の得意とする、女性一人称の形式で、吹き出物が全身に広がる語り手の女性の心境の変化が細かく描写される作品です。 このページでは『皮膚と心』の登場人物、あらすじ、感想を紹介します。 リンク ※ネタバレ内容を含みます。 『皮膚と心』の登場人物 私語り手。二十八歳。容姿にコンプレックスがあり、縁談がまとまらず、母と妹を助けながら自活して生 […]
『姥捨』は、昭和十三年に雑誌「新潮」に発表された短編小説です。その前年の昭和十二年、太宰治は、同棲していた小山初代と水上温泉で心中事件を起こしており、その時の経験をもとに書かれた作品です。 過ちを犯した妻とともに心中しようとする夫を描いた私小説風の作品でありながらも、暗さはなく、むしろユーモア溢れた語り口で楽しませてくれる作品となっています。 このページでは『姨捨』の登場人物、あらすじ、感想 […]