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2019年6月

芥川龍之介『鼻』ってどんな作品?登場人物、あらすじ、感想を紹介

 一九一六年発表の『鼻』は、平安時代の説話集「今昔物語集」と、鎌倉時代の説話集「宇治拾遺物語」を題材とした短編小説です。五、六寸の鼻が顎の下まで垂れ下がっている高僧の禅智内供がこの物語の主人公です。自身の鼻の長さを気に病み、ある方法によって鼻を短くした後までの彼の心理と、それに伴う周囲の人々の反応が書かれた作品です。芥川龍之介がこのペンネームを用いてから、『羅生門』に次ぐ二作目の作品となります。こ […]

夏目漱石『坊っちゃん』てどんな話?作品の内容を詳しく解説

 『坊っちゃん』は、一九〇六年、夏目漱石が三十九歳の時に発表されました。神経衰弱にかかった漱石が、一八九五年に養生を兼ねて松山の愛媛県尋常中学校に赴任していた時の体験に基づいて書かれた作品です。  この物語の主人公は、「親譲りの無鉄砲」な性格の持ち主で、友達に囃されて二階から飛び降りて腰を抜かしたり、何でも切れると請け合ったナイフで右の手の甲を切ったりと、幼いころから問題ばかり起こしていました。両 […]

芥川龍之介『羅生門』ってどんな作品?登場人物、あらすじを詳しく解説

 『羅生門』は、一九一五年、芥川龍之介が東京帝国大学在学中の二十三歳の時に発表されました。初めて芥川龍之介のペンネームを用いて出版された作品です。発表当時は注目されることがなかったものの、次作である『鼻』が夏目漱石に絶賛され、芥川龍之介が一躍文壇の寵児となってからは、代表作として現在まで親しまれています。  この作品は、平安時代の伝承を集めて作られた『今昔物語』を題材としています。飢饉によって荒廃 […]

夏目漱石『坊っちゃん』の詳しいあらすじ

※簡単なあらすじ、登場人物紹介、感想はこちら(『坊っちゃん』トップ) 一  坊っちゃんは、親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしていました。小学校の時は、同級生に囃され、二階から飛び降りました。二階から飛び降りて腰を抜かす奴があるかと父に言われ、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えました。 親類からもらった西洋製のナイフを友達に見せていたら、切れそうもないと言われたので、なんでも切って見せると受 […]

小林多喜二『党生活者』の登場人物、あらすじ、感想

 小林多喜二『党生活者』は一九三二年には書き上げられていたようですが、時勢により、編集部は発表を保留していました。一九三三年に小林多喜二が拷問によって死去すると、同じプロレタリア文学の作家たちの協力を得て、伏字だらけの文章で、『転換時代』と題名を変えて発表されます。  1946年に、本来の題名である『党生活者』として、ようやく全文が発表されることとなり、その後は小林多喜二の代表作としてひろく読まれ […]

小林多喜二『党生活者』の詳しいネタバレあらすじ

『党生活者』トップ 一  私は、同志の須山とは一緒に帰らないようにしていましたが、須山は時々その約束を破りました。須山は、上田がヒゲに会えなかったそうだと言いました。ヒゲは私たちのリーダー的存在で、時間に遅れたことはほとんどありませんでした。  戦争が始まると、倉田工場という金属工場は六百人の臨時工を募集しました。私、須山、伊藤(女の同志)は、他人の履歴書を持って入り込みました。会社は四百人のクビ […]

太宰治『おさん』ってどんな作品?登場人物、あらすじを詳しく解説

 一九四七年発表の太宰治の短編『おさん』の紹介です。『おさん』とは一七二〇年に初演された近松門左衛門作の人形浄瑠璃の戯曲『心中天網島』の登場人物です。大阪天満宮に住むおさんは、紙屋を営む治兵衛の貞淑な妻でした。しかし治兵衛は遊女の小春と深い仲になります。悲嘆にくれたおさんは、自分の心の中は、鬼や蛇のようになってしまいますよ。という意味で、次のように歌います。 女房のふところには鬼が棲むかあああ蛇が […]

ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』ってどんな話?作品の内容を詳しく解説

 一八五〇年に刊行された、ディケンズ最大の長編『デイヴィッド・コパフィールド』(David Copperfield)を紹介します。 チャールズ・ディケンズ(一八一二年~一八七〇年)はイギリスのポーツマス出身の作家です。父親は金銭感覚に乏しく、債務者監獄に収監されたため、ディケンズは学校を卒業できず工場で働きました。そのためディケンズには正式な教育がありませんでした。それにも関わらず、彼は『クリスマ […]