CATEGORY

日本文学

森鴎外『雁』の登場人物、あらすじ、感想

 『雁』は、1911年から雑誌「スバル」に連載された森鴎外の小説です。 高利貸しの妾であるお玉が、東京大学の学生である岡田に儚い恋をするも、ある偶然によって結ばれることのできなかった物語を通して、不幸な境遇の中で自立していく彼女の姿や、一度の偶然が運命を左右する様を描いた作品です。 東京大学から上野不忍池にいたる一帯や、神田、秋葉原界隈が舞台になっており、ビジネス街となってしまったこの辺りの情景を […]

夏目漱石『坑夫』の詳しいあらすじ

夏目漱石作『坑夫』の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク 長蔵に声をかけられる  許嫁がいる身でありながら、ほかの娘と惹かれあってしまった「自分」は、自殺も駆け落ちもすることができないまま、許嫁や親に申し訳が立たなくなり、生家を飛び出しました。東京から夜通し北へ向かい、泊まる宿も金もなかったので、神楽堂(神社の境内に設けられた建物)で少しだけ寝て、夜明け前に起きると […]

森鴎外『雁』の詳しいあらすじ

森鴎外作『雁』の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※もっと簡単なあらすじ、登場人物紹介、感想はこちら(『雁』トップページ) 岡田とお玉の出会い  明治十三年、東京大学の学生であった「僕」は、鉄門の真向かいにあった上条という下宿屋に住んでいました。「僕」の部屋の隣の下宿人は、一学年下の岡田という男でした。 岡田は体格のよい美男で、競漕(ボートレース)の選手でした。 […]

谷崎潤一郎『卍』の登場人物、あらすじ、感想

 『卍』は、1928年から1930年にかけて連載された谷崎潤一郎の長篇小説です。常に他者からの崇拝を求め続ける令嬢・徳光光子を中心に、その光子に翻弄される三人の男女の、「卍」型の人間模様が描かれた作品です。 大阪、神戸を中心とする関西を舞台に、光子に愛情を捧げる既婚女性・柿内園子によって語られる一人称形式の小説です。己れの欲望を成就させるため、時に騙し合い、時に共謀しながら複雑に絡み合う四者の関係 […]

谷崎重一郎『卍』の詳しいあらすじ

谷崎潤一郎作『卍』の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※もっと簡単なあらすじ、登場人物紹介、感想はこちら(『卍』トップページ) 園子と光子の出会い  未亡人の柿内園子は、自分が関わった新聞沙汰にもなったある事件について、「先生」と呼ばれる人物に語り始めます。  以前、夫の他に恋人を持っていた園子は、その恋人について「先生」に相談し、非常な心配をかけていました。 […]

森鴎外『寒山拾得』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『寒山拾得』(かんざんじっとく)は、一九一六年に発表された森鴎外の短編小説です。 寒山と拾得は、七、八世紀ごろに、中国浙江省東部に位置する霊山・天台山の国清寺に出入りしていたと言われる二人の僧です。彼らはいつもみすぼらしい格好で、奇声を発しながら寺の廊下を歩くといった奇行の持ち主であった一方で、仏教の教理に深く根ざした詩を、山林の石、竹、民家の壁などに書き連ねていました。 伝説では、寒山が文殊菩 […]

森鴎外『じいさんばあさん』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『じいさんばあさん』は、一九一五年に発表された森鴎外の短編です。江戸、天明期における文人、大田南畝(おおたなんぽ)が記した随筆『一話一言』に収録されている史料をもとに書かれた歴史小説で、麻布竜土町に隠居してきたひと組の老夫婦が経た、三十七年間にも及ぶ苦難の過去が描かれます。あまり知られていない作品ですが、高校国語の材料として使われることも多いようです。 このページでは、『じいさんばあさん』の登場 […]

森鴎外『堺事件』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『堺事件』は、一九一四年に発表された、森鴎外の歴史小説です。 一八六八年、無許可で上陸したフランスの水兵たちを、当時堺の町を取り締まっていた土佐藩の歩兵隊が銃撃して殺害し、その罪を問われて切腹した事件を題材にした作品です。この事件は、明治天皇がフランスの公使への謝意を表したり、伊藤博文が事件の解決のために奔走したりと、日本政府が初めて経験した大きな外交問題のひとつであったようです。切腹の際、藩士 […]

森鴎外『阿部一族』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『阿部一族』は、一九一三年に発表された森鴎外の短編小説です。 江戸時代初期、熊本藩初代藩主である細川忠利の一周忌に、家臣である阿部権兵衛が自分の髻(ちょんまげのことです)を位牌に添えて投獄されたことで、他の兄弟をはじめとする阿部一族が屋敷に籠城し、細川家に仕える武士たちによって討ち取られた事件を題材にした作品です。鴎外が数多く残した歴史小説の中でも代表的な作品で、この時代に生きた武士たちのすさま […]

森鴎外『うたかたの記』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『うたかたの記』は、一八九〇年に発表された森鴎外の短編小説です。 鴎外のドイツ三部作(他の二作品は『舞姫』と『文づかい』です。)と呼ばれる、主にドイツを舞台とした初期作品の二番目に当たり、ミュンヘンに留学中の画学生・巨勢と、数奇な人生を辿り美術学校のモデルとなっている少女マリイとの、儚い運命が描かれます。 作中に登場する国王は、実在したバイエルン国王のルートヴィヒ二世です。彼は建築や音楽に金を惜 […]