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太宰治

太宰治『おさん』ってどんな作品?登場人物、あらすじを詳しく解説

 一九四七年発表の太宰治の短編『おさん』の紹介です。『おさん』とは一七二〇年に初演された近松門左衛門作の人形浄瑠璃の戯曲『心中天網島』の登場人物です。大阪天満宮に住むおさんは、紙屋を営む治兵衛の貞淑な妻でした。しかし治兵衛は遊女の小春と深い仲になります。悲嘆にくれたおさんは、自分の心の中は、鬼や蛇のようになってしまいますよ。という意味で、次のように唄います。 女房のふところには鬼が棲むかあああ蛇が […]

太宰治『トカトントン』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『トカトントン』は、一九四七年に発表された短編小説です。太宰治がもらったファンレターからヒントを得て書いた作品で、ある青年が、愛読している作家に出した手紙という体裁になっています。青年は自分の苦悩を作家に相談します。何かに熱中し、その感動がピークに達しようとするその時に、いつも「トカトントン」という金づちのような音が聞こえてくるのです。そしてその「トカトントン」を聞いてしまうと、その青年は今まで […]

太宰治『親友交歓』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 一九四六年に発表された、太宰治の短編『親友交歓』の紹介です。この作品は、東京で罹災して津軽に帰郷している「私」が、小学校の同級生であった男の訪問を受ける話です。その男は、「私」の家に入り込み、クラス会を開くための金を要求し、女房のお酌で酒を飲ませろと言ってきます。「私」はその男のことをかすかに覚えているだけでしたが、「軽薄な社交家」であるがゆえに、彼に酒を振舞います。しかし段々と彼の傍若無人ぶり […]

太宰治『ヴィヨンの妻』の詳しいネタバレあらすじ

太宰治作『ヴィヨンの妻』の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※もっと簡単なあらすじ、登場人物紹介、管理人の感想はこちら(『ヴィヨンの妻』トップページ) 一  あわただしく玄関をあける音で、私が眼を覚すと、夫が荒い呼吸をしながら、何かを探していました。夫は私に「坊やはどうです。熱はまだありますか?」と珍しく優しい言葉をかけました。坊やは今年四歳になりますが、栄養不 […]

太宰治『ヴィヨンの妻』の登場人物、あらすじ、感想

 『ヴィヨンの妻』は一九四七年発表の太宰治の短編です。題名に含まれる「ヴィヨン」とは、十五世紀にフランスで活躍した詩人のフランソワ・ヴィヨンのことを指します。フランソワ・ヴィヨンはパリで放蕩を繰り返し、乱闘騒ぎで司祭を殺し、強盗事件を起こして逮捕された人物です。彼は死刑判決を受けましたが、恩赦によってパリ追放の刑に減刑され、その後消息を断ちました。  この小説の主人公は、放蕩を繰り返す夫と、語り手 […]

太宰治『人間失格』ってどんな作品?登場人物、あらすじを詳しく解説

 『人間失格』は、一九四八年に太宰治が自ら命を絶つ一ヶ月前に脱稿され、死後出版された小説です。「恥の多い生涯を送って来ました。」という一文はあまりにも有名で、今なお多くの読者を引きつけています。  この小説は、「はしがき」「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」「あとがき」から成っています。  「はしがき」では、ある男の写真を見た時の印象が、語り手である「私」によって書かれます。この時点では、こ […]