ウィリアム・シェイクスピア『ロミオとジュリエット』の詳しいあらすじ

ウィリアム・シェイクスピア作『ロミオとジュリエット』の、幕ごと、場ごとの詳しいあらすじを紹介するページです。


ロミオ&ジュリエット (吹替版)

※ネタバレ内容を含みます。

※簡単なあらすじはこちら(『ロミオとジュリエット』トップ)

※『ロミオとジュリエット』の詳しい登場人物紹介はこちら

第一幕 第一場

 イタリア北部・ヴェローナの街では、モンタギュー家とキャピュレット家という二つの名家が対立していました。

 街の広場では、キャピュレット家の二人の召使いサムソンとグレゴリが、モンタギュー家の二人の召使いエイブラハムとバルサザーに出会い、互いに剣を抜きました。そこへモンタギュー家の家長の甥ベンヴォーリオが通りがかり、召使いたちの争いを制しました。しかしキャピュレット家の家長の妻の甥であるティボルトがやってくると、今度はベンヴォーリオとティボルトの間でいさかいが起きました。
 さらに当主であるキャピュレット夫妻とモンタギュー夫妻が現れ、一族同士はあわや殺し合いとなりました。

 そこへヴェローナの太守が現れ、争いを起こそうとする両家の人々を制しました。太守はさらに、それぞれ別々の時間に、自分のところへ来るようにとキャピュレットとモンタギューに命じました。

 人々が去っていくと、モンタギュー夫人は、自分の息子のロミオの行方をベンヴェーリオに尋ねました。ベンヴェーリオは、ロミオが朝早く市の西外れの鈴懸の森を歩いているのを見たようでした。ロミオは何かが原因でふさいでおり、父親のモンタギューに聞かれても、硬く口を閉ざしたまま、胸の内を明かすことはありませんでした。モンタギューは、ロミオが何のためにふさいでいるのか探ってほしいと、ベンヴォーリオに頼みました。
 ロミオが現れると、恋の想いを一切断った女ロザラインに叶わぬ恋をしていることを、ベンヴェーリオは聞きつけました。
 ベンヴェーリオは、他の女にも目を向けるよう勧めましたが、ロミオは、それは結局ロザラインの素晴らしさを引き立てるだけだと考えました。

第一幕 第二場

 モンタギュー家とキャピュレット家のいさかいは、太守によって両成敗となりました。
 キャピュレットは、太守の遠縁であるパリスと街中で話しています。パリスは、キャピュレットの娘のジュリエットとの結婚を望んでいます。キャピュレットは、父親の自分に頼み込むよりも、ジュリエットの心を掴むことを勧め、その夜開かれる宴会にパリスを招待しました。

 キャピュレットは、今夜の晩餐のために人を集めるよう召使いに命じて去っていきました。そこへベンヴェーリオとロミオが現れると、召使は、二人が敵対するモンタギュー家の人間だと気づかず、その宴会に二人を招待しました。
 その宴会には、ロミオが恋するロザラインも来るはずになっていました。ベンヴォーリオは、ロザラインなど比べ物にならないほど美しい女を教えるとロミオに約束しました。ロミオはその言葉を信じることができないまま、キャピュレット家の宴会に忍び込むことを決めました。

第一幕 第三場

 キャピュレット夫人が、屋敷の一室で、十四歳になろうとする娘のジュリエットを呼びました。
 キャピュレット夫人は、パリスが結婚したがっていることをジュリエットに伝え、美しいことで有名なその顔を、今夜開かれる宴会で見てみるようにと言いました。その縁談についてどう思うかと聞かれたジュリエットは、好きになれるようにパリスを見てみると答えました。

召使が現れ、宴会の客たちが到着したことを伝えました。

第一幕 第四場

 ロミオとベンヴェーリオ、そしてロミオの友人で太守の遠縁にあたるマキューシオが、キャピュレット家の宴会にどのようにして乗り込むかを相談しています。敵である一家の宴会であるため、自分たちの身元が知られないように仮装を施し、ひと踊りしてさっさと引き上げようと彼らは言い合います。恋に沈み、踊る気になれないロミオに対し、マキューシオは、恋が辛ければ、こちらの方から恋に打ち勝つべきだと忠告し、踊るようにロミオに勧めます。
 ロミオはこの宴をきっかけに、何か忌まわしいことが起きるのではないかという胸騒ぎを覚えながら、キャピュレット家の宴に入りました。

第一幕 第五場

 キャピュレット家の広間では、給仕たちが慌ただしく宴の準備をしています。

 キャピュレットは、ジュリエットを伴って現れ、客と仮装者を迎え始めました。音楽が始まり、皆が踊り始めました。
 聖地エルサレムへの巡礼者の仮装を施したロミオは、そこでジュリエットの姿を初めて目にしました。その瞬間、彼はロザラインのことを忘れるほど、ジュリエットに強く惹かれました。

 ロミオがジュリエットの美しさに感嘆していると、その声を聞きつけたティボルトは、一門の面目にかけて、仮装した者たちのなかからロミオを捕らえようとします。
 キャピュレットは、血まなこになってロミオを探しだそうとするティボルトを諌め、放っておくようにと命じます。
 キャピュレットに制されたティボルトは、ロミオへの怒りを抱えたまま、帰って行きました。

 ロミオは、ジュリエットがキャピュレット家の娘であることを知らないまま話しかけ、唇を奪いました。
 ジュリエットが母親に呼ばれて去っていくと、ロミオはジュリエットの乳母によって、それが仇敵キャピュレット家の娘であることを知りました。
 一方のジュリエットも、自分の唇を奪った男がモンタギュー家の息子ロミオであることを、乳母から知らされました。

第二幕 第一場

 ジュリエットに恋をしたロミオは、キャピュレット家の塀を乗り越えて庭園に忍び込み、身を隠します。そこへベンヴェーリオとマキューシオがロミオを探しに現れます。二人はロミオがまだロザラインに恋していると思い込んでいます。二人はロミオのことを哀れみながら、これ以上の捜索は無駄だと考え、去って行きます。

第二幕 第二場

 一方、自分の唇を奪ったロミオに恋してしまったジュリエットは、二階の窓に現れ、そのロミオが仇敵であるモンタギューの名を持っていることを嘆きます。

 ジュリエットの独り言を聞いたロミオはその姿を現します。
 見つかってしまえば命がないと思われる中、ロミオはジュリエットに愛を宣言し、その宣言と引き換えに、ジュリエットの愛を請いました。ジュリエットは、既にロミオを愛してしまったという独り言を聞かれていましたが、その誓いを一度取り戻し、もう一度差し上げたいと語りました。
 その言葉を聞いたロミオは、真実とは思えないような幸福を感じました。ジュリエットは、もし本当に自分と結婚するつもりがあるのなら、翌日に遣いを向かわせるので、どこで式をあげるのかをことづけてほしいと頼みました。
 乳母に呼ばれたジュリエットが家の中に姿を消すと、ロミオは悲しみを感じながら物陰に隠れました。すると再びジュリエットが二階の窓に姿を現し、何時に遣いを差し向ければよいかと聞きました。ロミオは九時にしてほしいと答えました。二人はいつまでも一緒にいたいと思いながら、夜明けが迫るのを感じ、別れました。

 ロミオは、ロレンス神父の庵室に行き、ジュリエットとのことを相談することに決めました。

第二幕 第三場

 ロミオは、修道院の庵室にいる僧ロレンスを訪ね、ジュリエットと結婚させてほしいと頼みました。
 ロザラインとのことで相談を受けていたロレンスは、ロミオの変わりように驚きながらも、その縁組が、モンタギュー、キャピュレット両家の怨恨を癒すかもしれないと考え、ロミオに協力してやることにしました。

第二幕 第四場

 ベンヴェーリオとマキューシオは、ロミオがどこにいるだろうかと語りながら街中を歩いています。
 ベンヴェーリオは、ティボルトがロミオに対する挑戦状を送りつけてきたことを話します。マキューシオによると、ティボルトは各式作法を守る男で、剣の腕前も相当なものであるようです。
 そこへロミオが現れます。マキューシオとベンヴェーリオは、ロミオが昨晩自分たちを置いて消えたことに対し、不平を言います。
 そこへジュリエットの乳母と、その召使いピーターが現れました。ロミオは、今日の午後に、ジュリエットをロレンスの庵室に送り出すよう乳母に伝え、懺悔が終わり次第ジュリエットと結婚すると宣言しました。そしてその間に、遁走のために使う縄梯子のように編んだ綱を下男が持っていくので、それを持って修道院の塀の蔭で待っているようにと、ロミオは乳母に命じました。
 乳母は、ロミオの言いつけ通りに行動すると約束しました。

第二幕 第五場

 キャピュレット家の庭園では、乳母をロミオの元へ遣いに出したジュリエットが、その帰りを待っていました。
 乳母は帰ってくると、ロミオがロレンスの庵室で待っていることを伝え、早く修道院へ向かうようにジュリエットに伝えました。
 その話を聞いたジュリエットは、喜び勇んで出かけていきました。

第二幕 第六場

 修道院の庵室で、ロミオとロレンスが待ち受けているところへジュリエットが現れました。ロミオとジュリエットは、お互いの伴侶になれる喜びを語り合いました。
 ロレンスは、二人の結婚を執り行うために、教会へと連れて行きました。

第三幕 第一場

 街中で、マキューシオとベンヴェーリオにティボルトが話しかけ、彼らがロミオと結託したことについて、文句を言いました。
 そこへロミオが現れたため、ティボルトは、ロミオの無礼の数々を責め、剣を抜くよう促しました。幸福な気持ちに浸っていたロミオは、仇敵ティボルトにすら愛情を感じ、自分が何の無礼を行ったかはわからないものの、赦してほしいと言いました。
 剣を交えるつもりのないロミオに苛々としたマキューシオが剣を抜きました。ロミオは、二人の間に入り仲裁しようとしましたが、ティボルトはロミオの腕の下からマキューシオを刺して逃走しました。

 マキューシオが死んでしまったことが分かると、ロミオは、再び現れたティボルトと闘い、殺してしまいました。ベンヴェーリオはロミオを急かし、逃亡させました。

 太守、モンタギュー夫妻、キャピュレット夫妻が現れると、ベンヴェーリオは、この事件の首謀者がティボルトであり、ロミオはマキューシオの復讐のためにティボルトと斬り結んだのだと主張して、ロミオを庇いました。
 キャピュレット夫人は、ロミオに厳しい制裁を加えてほしいと太守に頼み、モンタギューは、ロミオが処刑されるべきティボルトを刺したに過ぎないと主張しました。

 太守は、ロミオを追放に処すことを決めました。

第三幕 第二場

 キャピュレット家の庭園で、ジュリエットがロミオを待ち侘びています。
 そこへ縄梯子を持った乳母が現れ、ティボルトが殺され、ロミオが追放となったことを伝えました。従兄のティボルトのことを慕っていたジュリエットはその死を嘆きましたが、それでロミオへの恋心が消されることはありませんでした。彼女はティボルトの死よりも、ロミオの追放に悲しみを覚えました。
 乳母は、ロミオがロレンスの庵室に潜んでいることをジュリエットに教えました。
 ジュリエットは、指輪をロミオに届け、最後のお別れに来て欲しいと伝えるように乳母に頼みました。

第三幕 第三場

 ロレンスは、修道院の庵室に潜んでいるロミオを呼び、太守からの追放という宣告が下されたことを伝えました。
 ロミオは、ジュリエットのいるヴェローナからの追放は、死刑よりも恐ろしいと嘆きました。
 ロレンスは、寛大な宣告を与えてくれた太守の慈悲について語り、嘆き悲しむロミオを叱り、心の慰めになるための哲学を与えようと試みました。

 そこへジュリエットからの使いで乳母がやってきました。
 ロミオは、ジュリエットが悲嘆に暮れているという話を聞き、自分を刺そうとして剣を抜き、その剣を乳母にもぎ取られました。
 自殺を図ろうとしたロミオをロレンスは叱責し、ジュリエットが生きていること、ロミオがティボルトに殺されずに済んだこと、死刑にもならなかったことを挙げ、それらの幸福に目を向けるようにと諭しました。そして、マントヴァへ行って身を隠していれば、そのうちに二人の結婚を発表し、そのことが両家の人々に歓喜を持って迎えられるようになってから、呼び戻すことを約束しました。

 乳母は、ジュリエットから預かった指輪をロミオにわたし、いずれロミオが帰ってくることをジュリエットに伝えると約束しました。
 ロミオは自分の目を覚ませてくれた二人との別れを惜しみながら、庵室を発っていきました。

第三幕 第四場

 キャピュレット家の一室で、キャピュレット夫妻とパリスが話しています。三人はティボルトの死によってジュリエットがふさいでいると思い込んでおり、とても縁談どころではないと思ったパリスは、いとまを告げました。パリスとジュリエットの結婚を望むキャピュレットは、自分からこの縁談の話をジュリエットにすることを約束し、明明後日の木曜日には、婚礼の儀式をしようという話をしました。

第三幕 第五場

 翌日の夜明け前、キャピュレット家の庭園の二階の窓にロミオとジュリエットが現れます。夜が明ければロミオはマントヴァへと旅立たなければならないため、二人は別れを惜しみ、朝が来ることに悲しみを感じています。
 キャピュレット夫人がやってくることを乳母が伝えにくると、ロミオはジュリエットに接吻し、二階から飛び降り、便りをよこすことを約束して去っていきました。

 母親のキャピュレット夫人は、泣いているジュリエットを見て、ティボルトの死を嘆いているのだろうと思い、ロミオに対する恨みを口にしました。
 ジュリエットは、内心ではロミオの不在を嘆きながら、ティボルトの死を嘆き、ロミオを憎んでいるように振る舞いました。
 キャピュレット夫人は、パリスとの結婚の話をジュリエットに話しました。ジュリエットは、その結婚を嫌がりました。父親のキャピュレットがやってくると、ジュリエットは、パリスとの結婚をはっきりと拒否しました。家柄も高く、若くて品のあるパリスとの結婚を拒否するジュリエットに、キャピュレットは腹を立て、もし木曜日に教会へ行く気がないのなら、家へ入れることはできないと言いました。キャピュレット夫人もまた、今後ジュリエットの世話をすることはないと宣言しました。

 ジュリエットは、乳母に協力を求めましたが、乳母もまた、両親の言うようにパリスと結婚することを勧めました。

 それまでロミオのことをほめていた乳母が、手のひらを返したようにロミオをこき下ろしたため、ジュリエットは、乳母に対する信頼を失いました。彼女は、乳母の勧めに納得したふりをして、ロレンスの庵室で懺悔すると言って家を出ていきました。

第四幕 第一場

 パリスは、木曜日のジュリエットとの結婚について話し合うためにロレンスの庵室を訪れました。ロミオとジュリエットの経緯を知っているロレンスは、ジュリエットの心の中がわからないまま妻に迎えることを反対しました。
 そこへジュリエットが現れました。ジュリエットが未来の妻になると思い込んでいるパリスは、木曜日の朝早く起こしに行くと約束し、去っていきました。

 パリスが庵室から出て行くと、ジュリエットは、パリスとの結婚するくらいなら、いっそ死んでしまいたいと言って、それを回避するための相談を始めました。
 ロレンスは、死ぬほどの覚悟があるのなら、ひとつだけ方法があるとジュリエットに伝えました。

 それは、家に帰ってパリスとの結婚を承諾し、翌日、結婚の前日である水曜日の夜に脈拍を四十二時間止めることのできる薬を飲み、迎えにきたパリスに死んでいると思い込ませるというものでした。それがうまくいけば、ジュリエットはキャピュレット家の墓所に連れて行かれることになり、その間にロレンスはロミオを手紙で呼び出し、目覚めたジュリエットとともにマントヴァへ旅立つことができるだろうと考えたのでした。

 ジュリエットは、ロレンスから脈拍を止める薬を受け取ると、喜んで庵室から出て行きました。

第四幕 第二場

 キャピュレット夫妻が、ジュリエットとパリスの結婚の準備をするために召使いたちに指図をしています。

 そこへジュリエットが戻り、ロレンスの説教によって改心したふりをして、父親の言う通りに結婚すると言いました。キャピュレットは、娘の態度に満足し、ロレンスに感謝しました。

 ジュリエットは、翌日の結婚式で使う装飾を選んで欲しいと言って、乳母を部屋に連れて行きました。

 ジュリエットと乳母が出て行くと、キャピュレット夫妻は喜んで結婚式の準備に取り掛かりました。

第四幕 第三場

 自分の部屋に来たジュリエットは、乳母に翌日の着物を選んでもらいながら、自分の罪深さを神様に懺悔するために、今夜は一人にしてほしいと頼みました。
 母親にも同じことを頼み、一人になったジュリエットは、ロレンスから渡された瓶を取り出しました。彼女は、薬の効果がなかったときに自らを刺すための懐刀を用意し、これから行くことになるであろう恐ろしい墓場や、そこにうろついているであろうティボルトの怨霊のことを考えながら薬を飲み干し、寝台に倒れました。

第四幕 第四場

 明け方の三時になっても、広間では、何も知らないキャピュレット夫妻と乳母が結婚式の準備を進めています。

 そうこうしている間に夜が明け、パリスがやってくると、キャピュレットは、ジュリエットを起こしに行くように、乳母に命じました。

第四幕 第五場

 乳母がジュリエットを起こすために部屋へ入り、ジュリエットが呼吸をしていないことに気付きます。その騒ぎを聞きつけてやってきたキャピュレット夫妻は、ジュリエットが死んだと思い込み、嘆き悲しみました。

 ロレンスと一緒に現れたパリスは、ジュリエットに死をもたらした死神を憎みました。

 すべての経緯を知っているロレンスは、一同を慰め、ジュリエットに晴れ着を着せて教会へと送るように勧めました。

 一同がその場を去ると、そこへ結婚式のために呼ばれた楽隊が登場します。彼らは祝いで披露することがなくなり、いとまを告げようとします。そこへ乳母の召使いのピーターが登場し、愉快な音楽の演奏を要求します。楽人たちがその頼みを断ると、ピーターは、その芸人たちに悪口をぶつけます。ピーターが去って行くと、芸人たちはピーターをこき下ろし、せめて葬式のご馳走にありつこうと相談します。

第五幕 第一場

 マントヴァに着いたロミオは、自分が死んでおり、その遺体に姫が何度も口づけして蘇らせ、帝王になるという夢を見ました。ロミオはその夢を吉兆だと考えました。

 そこへバルサザーが現れ、ジュリエットが急死し、亡骸がキャピュレット家の墓に葬られたというヴェローナからの報せを伝えました。
 その話を聞いたロミオは、ジュリエットの亡骸の隣で死ぬことを決意し、薬屋から毒薬を買い、キャピュレット家の墓へと向かいました。

第五幕 第二場

 ロレンスの手紙を持ってマントヴァへと旅立っていた僧ジョンが、ヴェローナの修道院の庵室へと帰ってきました。ジョンは、この街の病人見舞いに来た托鉢僧と会っていたため、検疫官に外出を禁止されていました。そのため、ロレンスからロミオに宛てた手紙は、渡されずに戻ってきてしまいました。
 ジュリエットはあと二、三時間で目覚めてしまうため、ロレンスは慌てながら、もう一度マントヴァに向けた手紙を書き、眠りについているジュリエットを自分の庵室で預かろうとして、キャピュレット家の墓場へと急ぎました。

第五幕 第三場

 キャピュレット家の墓場で、パリスは侍童とともに現れ、ジュリエットの墓に花を撒こうとしています。
 そこへロミオがバルサザーを連れて現れたため、パリスは物陰に隠れました。

 ロミオは、ジュリエットの遺体に嵌めてある指輪を抜き取ってくるという嘘をつき、自分の手紙を父親に渡すように言いつけ、バルサザーを立ち去らせました。バルサザーは、ロミオの青ざめた顔を見て心配し、立ち去ったふりをして物陰に隠れました。

 ロミオはつるはしで地面を掘り、ジュリエットの亡骸のもとへ行こうとしました。
 物陰からその様子を見ていたパリスは、ロミオが墓穴を掘り出そうとしているのを見て怒りを覚え、飛び出しました。
 ロミオは、それが誰だかわからないまま、自分のことは構わないで欲しいと頼みました。しかしパリスはその願いを聞き入れず、ロミオを重罪人として捕らえようとしました。
 ロミオはしかたなくパリスと戦って殺し、その後で、自分が殺したのがパリスであったことに初めて気付きました。パリスの侍童は、助けを呼びに走り去って行きました。

 ロミオは地下の墓場に下り、その中にパリスの遺体を横たえ、自分が殺めてしまったティボルトの遺体には許しを乞いました。

 ジュリエットの亡骸と対面したロミオは、その遺体の美しさに陶然とし、この暗い墓場の中で、一緒に眠ることを誓いました。そしてマントヴァで薬屋から得た毒薬を飲み、ジュリエットの遺体に接吻し、息絶えました。

 地上の墓地の他の入り口から、ロレンスが登場し、バルサザーと出会います。ロミオが墓地の地下にいることをバルサザーから伝えられたロレンスは、悪い予感を感じながら地下へと降りて行きました。そこには、血に染まったパリスと、真っ青になったロミオが死んでいました。

 ジュリエットが目を覚まし、ロミオがどこにいるか聞きました。ロレンスは、その胸の上でロミオが息絶えていることを教えました。
 夜回りの者が来る音がしたため、ロレンスはジュリエットを逃がそうとしました。しかしジュリエットはそれを拒否し、墓場に残りました。ロレンスが去っていくと、ジュリエットはロミオの唇に接吻し、短剣で自らの胸を刺し、ロミオの身体の上に折り重なって息絶えました。

 パリスの侍童が夜警を呼んで現れ、その悲惨な光景を発見しました。バルサザーとロレンスは夜警に怪しまれ、捕えられました。
 そこへ太守、キャピュレット夫妻、そしてその前日に息子の追放を悲しんだ妻を亡くしたモンタギューが現れました。キャピュレット夫妻はジュリエットの死を嘆き、モンタギューはロミオの遺体を見て、なんという不心得者だと言いました。
 太守は、この悲しみを忍び、事件の真相をはっきりさせるよう、人々に命令しました。

 ロレンスは、ロミオとジュリエットが結婚していたこと、パリスと結婚させられそうになったジュリエットが相談しに訪れたこと、ジュリエットが死んだと思い込んだロミオが墓場を訪れ、パリスを殺して自殺したこと、ロミオの死を知ったジュリエットもまた自ら息絶えたことを太守に伝えました。

 太守はさらにバルサザーと侍童にも事情を聴き、真実を理解しました。そして、キャピュレット家とモンタギュー家の相互の憎しみのために、このような悲劇が起きたのだと言って、両家の当主たちを叱責しました。

 この悲劇により改心した両家の当主は、ジュリエットとロミオの像を建立し、両家確執の犠牲の形見とすることを誓いました。
 太守は、赦すべきところは赦し、罰すべきところは罰すため、この事件について語り合おうと言って、皆を連れて行きました。