ロバート・ルイス・スティーヴンソン『宝島』の詳しい登場人物一覧

ロバート・ルイス・スティーヴンソン作『宝島』の登場人物を詳しく紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。

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ジム・ホーキンズ
第一部から第三部および第五部、第六部の語り手。イングランドの都市ブリストル近郊の入江にある宿屋ベンボウ提督亭の息子。宿屋にやってきた元海賊の老水夫ビリー・ボーンズに、一本脚の船乗りがきたら知らせるようにと命じられ、月に四ペンスでその役を引き受ける他、ラムの給仕などの世話もするようになる。
自分の父親を肺病で失った直後、盲目の海賊ピューの来訪によりビリー・ボーンズが卒中を起こして死ぬと、滞納されていた宿泊費を奪い返すために母親とともに私物箱をあさり、宝島の地図を手に入れる。
その後ピューたちによるベンボウ提督亭の襲撃から逃れ、リヴジーとトリローニに宝の地図を見せると、キャビンボーイとして船に乗り込むことになり、リヴジー邸でレッドルースのもとに預けられた後ブリストルからヒスパニオーラ号に乗り込む。
骸骨島に到着の前日、林檎樽の中で眠り込み、そこへやって来た乗組員ジョン・シルヴァーやイズレイル・ハンズの会話を聞き、彼らが初めから宝を奪うために船に乗っていたことを知り、このことをスモレットやリヴジーやトリローニに伝える。
ヒスパニオーラ号が島に着き、スモレットがシルヴァーらに上陸の許可を与えると、自分も島に上陸することを思いついてボートに乗り込み、岸辺から一人で島へと渡る。そして茂みの中からシルヴァーが味方になろうとしない船員を殺害するところを見かけて逃げ出し、三年間も島に置き去りにされていた元海賊ベン・ガンに出会う。銃声が聞こえると、ユニオンジャックが掲げられた砦が自分たちの拠点となったことを悟り、その中に入ってリヴジーらと再会し、ベン・ガンのことを話す。
シルヴァーの部下たちによる襲撃を経験した後、死体の転がったむし暑い砦に耐えきれなくなり、二度目の脱走を行う。そして入江でベン・ガンのボートを見つけると、停泊中のヒスパニオーラ号の錨策を切って船を座礁させようと考え、日が沈むとボートで海に乗り出し、ナイフで錨策を切断する。しかしその反動で起きた波に揉まれ、伏せて待つうちに疲労に襲われて眠り込む。
翌朝、ボートの前方で帆走していたヒスパニオーラ号に乗り込み、喧嘩により重傷を負っていたイズレイル・ハンズに船を占領しに来たと宣言する。ハンズから傷を縛るためのスカーフを持ってくる代わりに、船の操り方を教えるという取り引きを持ちかけられ、北の入江に船を座礁させるという条件でその取引を承諾するが、運転に夢中になっている間に襲い掛かられる。マストによじ登り鉄砲を構えるも、投げつけられたナイフに肩を刺され、その驚きで発砲した弾によってハンズを海に撃ち落とす。
その後座礁したヒスパニオーラ号から上陸し、仲間たちが寝ていると勘違いしてシルヴァーらに占拠されていた砦へと入り、捕らえられる。
シルヴァーから仲間になるかどうかの選択を迫られるが、林檎樽の中でシルヴァーたちの悪巧みを盗み聞いていたことや、ハンズを倒してヒスパニオーラ号を隠したことを話し、その胆力に感心したシルヴァーを味方につける。
リヴジーが診察にやってくると、船を取り戻したことを伝え、逃亡を進められるものの、シルヴァーを裏切ることができずに砦に残る。
その後、腰に巻かれた細縄をシルヴァーに引かれながら宝探しに出発し、宝が既に暴かれていたことでシルヴァーとジョージ・メリーらの争いに巻き込まれそうになるが、すんでのところでリヴジーらに救出される。
ベン・ガンの洞窟ではフリントの珍しい様々な硬貨の選り分けの仕事を行い、帰国の途に着く。

ビリー・ボーンズ
上背のあるがっしりとした赤銅色の男。タールで固めた弁髪を垂らし、傷だらけのごつい手と、割れた黒い爪を持ち、片頬に刀傷がある。
かつては名高い海賊フリントの船の一等航海士。そのフリントが骸骨島に宝を埋め、他の六人の船員たちを殺して戻った時、ジョン・シルヴァーと共に船に残っていた。
フリントの宝の地図を手に入れてベンボウ提督亭にたどり着くと、客が少ないことを知って宿泊を決め、本名を隠し、自分を船長と呼ぶように命じる。昼間は真鍮の望遠鏡を片手に入江をうろつき、夜は談話室の隅で火の横で水割りのラム酒を飲んでいた。ひどく無口で、話しかけられても鼻息を立てるだけであったが、時折悪酔いし、他の客にむりやり自分の昔話を聞かせたり、船乗りの歌を人々に歌わせたりしていた。人々からは恐れられていたものの、退屈な田舎での日々に格好の刺激を与えてくれる存在でもあり、賞賛を受けることもあった。また大声で歌っているのをリヴジーに咎められ、争いになりかけたことがある。
かつてのフリントの仲間、とりわけジョン・シルヴァーを恐れており、ジムに一日四ペンスを与える代わりに、宿の前の街道を一本脚の船乗りが通ったら知らせるようにと命じる。最初の金がなくなった後も無賃でベンボウ提督亭に逗留を続けていた。
宝の地図を狙うかつての海賊・黒犬の訪問を受けて言い争いとなり、左肩に傷を負わせるも、ラム酒が原因の卒中を起こして倒れ、リヴジーに瀉血を施される。ラムを辞めないと死ぬことになると忠告されるものの、その後も不安を募らせ、ジムを買収して飲み続ける。その後やってきた黒犬の仲間のピューに黒丸(呼び出し状)を手渡され、再び脳溢血を起こして絶命する。
死後、宿泊費を取り戻そうとしたジムによって、私物箱の中から宝島の地図が発見される。

ジョン・シルヴァー
片脚のないのっぽの男。撞木杖を器用に操り、普通の人間と同じように軽快に歩くことができる。フリントと名づけられた鸚鵡を飼っている。
始めは平水夫として大海賊イングランドの船に乗って九百ポンドを、次に操舵手としてフリントの船に乗って二千ポンドを貯め、その時にはすでに片舷斉射で片脚を失っていた。フリントが骸骨島に宝を埋め、他の六人の船員たちを殺して戻った時、ビリー・ボーンズと共に船に残っていた。
海賊船で得た金をしっかりと貯金し、怪しまれないように少しずつ色々なところに金を預けており、今では資産家としてブリストルで遠眼鏡亭という居酒屋を営んでいる。
トリローニが宝探しの船員を探しているという噂を聞くと、軍務についていた時に片脚を失ったと嘘をつき、陸で健康を損ねたので料理番として海に出たいと名乗り出る。航海の前に銀行にあった金を女房に預け、遠眼鏡亭を売り払わせ、かつての仲間たちを集めて船に乗り込む。
コックとしてヒスパニオーラ号に乗り込むと、焼き肉番と呼ばれ、厨房を清潔に保ち、ジムやトリローニ、リヴジーを含む皆から親しまれる存在となる。しかしディックを真っ当な船員から自分達の味方に引き入れようとするのを林檎樽の中に潜んでいたジムに聞かれ、船を略奪して宝を奪おうとする悪巧みが知られることになる。
ヒスパニオーラ号が骸骨島に到着すると、不平をこぼす水夫たちを制止しながら、スモレットの許可を得て上陸し、そこで自分達の味方になろうとしない船員たちを殺害する。しかしその間にこちらの思惑を見破っていたリヴジーらに上陸され、砦を占拠される。
その後単身で砦にやって来て、宝の地図と、ジムたちすべての命を引き換えにしようという提案を行うが、スモレットによって退けられ、二度目の襲撃を行う。
その後、休戦旗を持ってきたリヴジーによって船がなくなっていることを知らされると共に、砦と食糧、さらに宝の地図を譲られる。その砦にジムが迷い込むと、自分達の仲間になるかどうかの選択を迫る。しかし林檎樽の中に隠れて自分たちの企みを盗み聞いていたこと、ハンズとオブライエンを殺してヒスパニオーラ号を隠したことを聞くと、その度胸と頭の良さに感心し、ジムを守ることでヒスパニオーラ号を失くした窮地を脱しようと決意し、自分が助けた暁には絞首刑にならないように全力を尽くしてほしいと懇願する。
その後、ジムを守ったことでジョージ・メリーらから解任状を突きつけられるが、持ち前の弁舌で解雇を回避する。
宝探しに出発すると、興奮して乱暴にジムの縄を引っ張るが、既に宝が暴かれていたことが分かると、これから始まるであろうジョージらとの戦闘のために再びジムにピストルを渡し、友好的な態度をとる。
リヴジーらの銃弾によってジョージが倒れると、リヴジーについてベン・ガンの洞窟に行き、「職務に戻った」と言ってヒスパニオーラ号出帆のための仕事に取り組み、帰りの便に乗り込む。
船がある町に着くと、壁をくり抜いて、金貨の袋をひとつ持ち出して姿を消す。

デイヴィッド・リヴジー
第四部の語り手。医師。治安判事。肺病を患うジムの父親を診るためにベンボウ提督亭を訪れに来ていた。船乗りの歌を歌うビリー・ボーンズに眉をひそめ、口論になり、ナイフをしまわなければ次の巡回裁判で縛り首にすると宣言して黙らせたことがある。その後、黒犬の来訪によって卒中を起こしたビリー・ボーンズに瀉血を施して一命を取り止め、ラムをやめない限り、必ず死ぬことになると忠告を与える。
ジムが宝の地図を手に入れると、船医として出発することを明言し、物騒な仕事である宝探しについては他言しないようにとおしゃべりなトリローニに忠告を与える。そしてロンドンで代わりとなる医者を探した後、ヒスパニオーラ号に乗り込む。
骸骨島に到着の直前、ジョン・シルヴァーらが宝を奪うために船に乗り込んだことをジムから知らされる。島に到着すると、その臭いから島に熱病と赤痢が存在することに気づく。
その後ジョン・シルヴァーらが上陸している間に島の砦へと移り、一度目の戦闘を経験する。
シルヴァーとスモレットの話し合いが決裂し、二度目の戦闘が起きると、ライフル弾で自分の鉄砲を砕かれるも、小屋の外で一人の敵を斬り倒す。
その後トリローニと相談してベン・ガンに会いに行き、彼が宝を洞窟に移したことや、塩漬けにした山羊の肉をたっぷり持っていることを知る。その翌朝、停泊地から船が消えているのを見ると、シルヴァーのところへ出かけ、宝の地図と食料を全て明け渡し、味方を引き連れてマラリアの心配のないベンの洞窟へと移動する。
しかし、シルヴァーたちを診察するために砦に現れ、敵に囚われていたジムが船を取り戻したことを知ると、ジムが宝を失った敵たちによって酷い目に遭わされるのを避けるため、トリローニをスモレットの護衛に残し、グレイとベンを連れて宝の在処であった場所へと向かう。そして近くの茂みに潜み、一行が現れるとジョージ・メリーを撃ち倒す。
その後、ジムとシルヴァーを連れて洞窟に戻り、ベン・ガンの見つけた宝をヒスパニオーラ号に積み込み、帰国を果たす。

ジョン・トリローニ
地主。六フィートを超える長身で、恰幅がよく、数々の長旅で日焼けした、無愛想な顔の、癇癪持ちに見える人物。
ジムが宝の地図を手に入れたことを知ると、船主に名乗りを上げ、ただちに宝探しへの出発を決め、ブリストルで船と船員探しを始める。物騒な仕事である宝探しについては沈黙を守るようにとリヴジーに言われていたが、ブリストルではすぐにこのことを人々に触れ回る。
旧友のブランドリーからヒスパニオーラ号を購入し、スモレットを紹介される。また、埠頭でジョン・シルヴァーと出会い、彼が真っ当な船員であると勘違いしたことで、多くの悪党を船に乗り込ませることとなる。
自分の用意した船に対して苦言を呈するスモレット船長には憤慨していたが、出航後、ジムによってシルヴァーたちの悪巧みが明らかになると、自分の非を認め、スモレットに従うことを約束する。
その後、島の砦へと移る途中でボートから船に残る敵を一人撃つものの、その攻撃の音を聞いて砦へとやって来た敵の攻撃で使用人のレッドルースを、二度目の戦闘でハンターとジョイスを失う。
その後リヴジーをベン・ガンに会いに行かせ、一行と共にベンの洞窟へと移動すると、負傷したスモレットの護衛を行い、ジムたちの帰りを待つ。シルヴァーがジムと共に戻ると、その行状を責めながらも起訴はしないと約束し、帰国を果たす。

アレグザンダー・スモレット
トリローニの旧友ブランドリーが見つけてきたヒスパニオーラ号の船長。険しい顔つきの男。生きるか死ぬかの宝探しという目的が水夫たちに知れ渡っていることや、航海士と水夫が馴れ馴れしく接していることに苦言を呈し、出航前に信用に足らない可能性のある人物に対する予防措置を取るため、火薬や武器庫の部屋や水夫たちの部屋の移動を提案し、トリローニを憤慨させる。また、平水夫を甘やかすと悪魔になるという忠告をリヴジーに行い、航海に対して警鐘を鳴らしていた。
到着の前日、ジョン・シルヴァーらが宝を奪うために船に乗り込んでいたことを知ると、船員たちに上陸の許可を与え、船に残った少人数の悪党たちを制圧し、その後仲間たちに荷物を運ばせ、島の砦へと移り、ユニオンジャックを掲げる。
一度目の戦闘の後、単身で乗り込んできたジョン・シルヴァーの宝の地図と自分達の命を引き換えにするという取り引きを退け、二度目の戦闘では、ジョブ・アンダーソンからの銃撃を肩と脹脛に受け負傷する。
その後、トリローニの護衛を受けながらベン・ガンの洞窟に移り、戻ってきたシルヴァーのことを受け入れる。
帰国を果たした後は引退し、船に乗ることを辞める。

ベンジャミン・ガン
かつてフリントの船に乗っていた海賊。フリントが骸骨島に宝を埋め、他の六人の船員たちを殺して戻った時、ビリー・ボーンズやジョン・シルヴァーと共に船に残っていた。その後別の船で骸骨島の近くを通りがかった時、フリントの宝があることを皆に知らせたものの、十二日の間見つからず、宝を探し続けるようにと言われ、結局一人でこの島に置き去りにされる。以来、山羊と、スグリの仲間と牡蠣を食べながら、洞窟で暮らしていた。島を歩き回るうちにフリントが殺した男の骸骨を発見し、所持品をくすねる。そして宝のありかを見つけるとそれを全て掘り出し、それらを島の北東にある洞穴に何度も運搬する。また三年間の孤独な生活の中で、母親のことを思い出すにつれ、キリスト教徒として改心した。
島へ上陸したジムの前に現れ、キリスト教社会に戻るための手立てとして仲間にしてほしいとトリローニに頼むようにと託け、その意思を示すために夜営中の敵の一人を暗殺する。
その後、リヴジーの訪問を受け、宝を洞窟に移したことや食糧がふんだんにあることを伝え、自分の洞窟へと一行を移らせる。
ジムがシルヴァーらに囚われていることを知ると、リヴジーらとともに出発し、フリントの声を真似て船乗りの歌を歌い、海賊たちを怯えさせて足止めする。
帰国後、千ポンドをもらったものの十九日間で使い切ってしまい、門番として田舎の少年たちの人気者になりながら働き、教会にも通うようになる。

フリント
悪名高いイギリス人の海賊。セイウチ号という海賊船に乗り、スペイン人にひどく恐れられていた。ジョン・シルヴァー、ビリー・ボーンズ、ピュー、ベン・ガンらを手下に従えていた。
六人の屈強な船乗りたちと骸骨島に一週間ほど滞在して、七十万ポンドと呼ばれる宝を埋め、ほかの六人を皆殺しにする。その時に殺害したうちの一人の指先を、宝の位置を指し示すための道標にして遺体を横たえるという悪ふざけを行い、船に戻ると、シルヴァーやビリー・ボーンズに、「島に残ってもいいが、船の方はもっと稼ぎに行く」と語る。サヴァナで死んだと言われており、その死後、宝の地図がビリー・ボーンズの手にわたることとなる。

ジムの父
ブリストル近郊の入江にある宿屋ベンボウ提督亭を営んでいた。無賃で宿泊を続けるビリー・ボーンズに料金を請求することができず、自分の宿を破産に陥らせそうになる。
ビリー・ボーンズが卒中で倒れた後、肺病が悪化して急に息を引き取る。

ジムの母
肺病を患う夫に代わり、ベンボウ提督亭を取り仕切る。ビリー・ボーンズが卒中で息を引き取った後、ベンボウ提督亭が攻めいられることを知り、村に助けを求めに行く。しかし誰も来てくれる者がいないと分かると、危険を知りながら戻り、自分が正直であることを示すために、滞納されていた宿泊費だけを取り戻すために私物箱の中にある金貨を勘定し、ピューたちがやってくるとジムとともに逃げ、橋の袂で気を失う。
その後、トリローニによってベンボウ提督亭を修繕され、ジムの代わりに手伝いの男の子を一人つけてもらい、宿屋を切り盛りする。

テイラー
ベンボウ提督亭の庭師。

黒犬
左手の指が二本欠けており、カトラスを帯びた青白い顔の男。
ベンボウ提督亭に宿泊するビリー・ボーンズを訪れて何らかの交渉を行うも、やがて争いとなり、左肩に傷を負って逃げ出す。
その後、仲間とともにベンボウ提督亭に押し入り、ビリー・ボーンズの遺体を発見する。危険を知らせる呼び子の笛が鳴ると、ピューを置き去りにして逃げ去る。
その後、ジョン・シルヴァーの経営する遠眼鏡亭でジムに姿を見られて逃げ出す姿が見られる。

ピュー
目と鼻の上に緑色の大きな目隠しをした盲人で、背中が大きく曲がり、頭巾付きの大きな古い船員マントをまとう異様な姿。
ジョン・シルヴァーらとともにフリントの船に乗っていたが、片舷斉射で盲目となり、やけくそになって年に千二百ポンドを使い、物乞いや盗みや殺しをやり、その挙げ句に飢え死にしかけたことがある。
ベンボウ提督亭に黒犬を送り込んだ後、自身もビリー・ボーンズを訪れにやって来て、黒丸(呼び出し状)を渡して去る。
約束の時間になると、黒犬らを連れてベンボウ提督亭に押し入り、ビリー・ボーンズの遺体を発見する。宝の地図が私物箱にないことから、ジムが持ち去ったことに気づき、手下たちに探し回るよう命じ、私物箱の中にあるものだけで満足する他の海賊たちと対立する。やがて危険を知らせる呼び子の笛が聞こえると、仲間たちに置き去りにされ、道に出たところでダンスの馬に踏みつけられて絶命する。

ダンス
密輸監視官。ベンボウ提督亭に押し入ろうとするピューたちの帆掛船が入江にいるという知らせを受けて馬を走らせ、その道中で村の若者に出会って事情を聞き、ベンボウ提督亭に駆けつける途中でピューを轢き殺す。
ジムをリヴジーのもとへと連れて行くようドガーに命じる。

ドガー
ダンスの部下。ジムをリヴジーの家まで連れて行く。

トム・レッドルース
不平を発せず、どんな命令にも頑固に従うトリローニの猟番。主人がブリストルで船を探す間、ジムを預かる。
上陸の直前にジョンたちが反旗を翻そうとしていることを知り、ジョン・シルヴァーらが上陸している間に砦へと移るが、その直後に敵の銃弾を受けて倒れ、息を引き取る。

リチャード・ジョイス
トリローニの使用人。上陸の直前にジョンたちが反旗を翻そうとしていることを知り、ジョン・シルヴァーらが上陸している間に砦へと移る。
二度目の襲撃で頭を撃ち抜かれて即死する。

ジョン・ハンター
トリローニの使用人。優秀なボートの漕ぎ手。上陸の直前にジョンたちが反旗を翻そうとしていることを知り、ジョン・シルヴァーらが上陸している間に砦へと移る。
二度目の襲撃では、柵を乗り越えてやって来たジョブ・アンダーソンに銃眼から銃を奪われ、その銃弾に胸を潰され、その日の夜に息を引き取る。

エイブラハム・グレイ
船大工助手。ヒスパニオーラ号の乗組員。一時ジョン・シルヴァーらの仲間になるが、スモレットの呼びかけに応じて改心する。
その後は、志願して浜辺に取り残された荷物を見に行ったり、砦で戦闘が起きるとジョブ・アンダーソンを斬り倒すといった働きを見せる。
リヴジーらとともにベン・ガンの洞窟へ移り、シルヴァーに囚われたジムを救出するために、宝のあった場所へと先回りする。
帰国後は、身を立てるために船乗りの仕事を勉強し、立派な帆船の航海士にして共同所有者になり、結婚して父親になる。

トム
骸骨島でシルヴァーに仲間になるように強要された乗組員。その申し出を断り決別を表明したため、シルヴァーに殺される。

アロー
ジョン・シルヴァーが連れてきた航海士。だらしのない男で、出航後間もなく酩酊して甲板に現れる。航海士としては全く役に立たないまま、ある日船上から姿を消す(自分で海に落ちたのか、ジョンたちに消されたのかは不明)。

イズレイル・ハンズ
ジョン・シルヴァーの誘いでヒスパニオーラ号を略奪するために乗り込んだ元海賊。慎重でしたたかな老練の船員で、艇長として任務にあたる。
シルヴァーらが島に乗り込むと、船に残るも、自分達の計画を知ったスモレットらに制圧される。
スモレットらが島へと向かうと、船に残りながら九ポンド砲で攻撃を開始する。
やがて酒で酩酊し、船に残っていた他の船員オブライエンと争いになって殺し、自らも重傷を負う。
そこへ船を取り戻すためにジム・ホーキンズが乗り込んでくると、傷を縛るためのスカーフを持ってくる代わりに、船の操り方を教えるという取り引きを持ちかける。ジムに船の操縦を教え、ワインを持って来てほしいと頼み、その隙に短刀を懐にしまい、ジムが操縦に夢中になる間に襲い掛かるが、マストの上に逃げられて銃を向けられる。短刀を投げつけてジムの肩を貫くものの、驚いたジムが発砲した銃弾に撃たれ、海に沈む。

ジョブ・アンダーソン
シルヴァーの手下としてヒスパニオーラ号に乗り込んだ大柄な甲板長。海に落ちたアローの代わりに航海士の仕事をするようになる。
船が骸骨島に着くとシルヴァーらとともに上陸し、トリローニがボートから撃った仲間の叫び声を聞き、砦に襲撃をかける。
二度目の襲撃では、柵を乗り越えて銃眼から銃を奪い、ハンターに一撃を浴びせるも、グレイに斬り倒されて絶命する。

オブライエン
赤いナイトキャップを被ったアイルランド人の男。シルヴァーの手下としてヒスパニオーラ号に残ったうちの一人。イズレイル・ハンズと掴み合いの喧嘩になり、殺される。

トム・モーガン
赤銅色の顔をした老水夫。遠眼鏡亭で黒犬と飲んでいた男。シルヴァーの手下としてヒスパニオーラ号に乗り、砦の占拠まで生き抜いたうちの一人。砦に迷い込んできたジムを殺そうとしてシルヴァーに制止され、ジョージ・メリーらとともにこの少年を守ろうとしたシルヴァーに黒丸(解雇状)を突きつける。その後、シルヴァーの宝探しに同行するも、既に宝が既に暴かれているのを発見する。その直後ジョージ・メリーが銃弾に倒れると逃げ出し、そのまま島に置きざりにされる。

ディック・ジョンソン
若い水夫。もともとは育ちの良い少年で、真っ当な船員としてヒスパニオーラ号に乗り込むが、ジョン・シルヴァーに説得され、船の略奪に参加する。
リヴジーからシルヴァーに譲られた砦に入り、迷い込んできたジムを守ろうとしたシルヴァーに対し、ジョージ・メリーらと共に自分の聖書を切り取らせて、解任状を突きつける。
その後診察に訪れてきたリヴジーにより、マラリアと診断される。聖書を切り取ったことで恐れ慄きながら宝探しに加わり、ベン・ガンによるフリントの声真似に震え上がる。
宝がすでに暴かれ、ジョージ・メリーが銃弾に倒れると逃げ出し、そのまま島に置きざりにされる。

ジョージ・メリー
黄ばんだ眼をした長身の男。シルヴァーの手下としてヒスパニオーラ号に加わり、砦を譲りわたされるまで生き延びたうちの一人。迷い込んできたジムの見方についたシルヴァーに、中心人物として黒丸(解雇状)を突きつけるが、シルヴァーの弁舌に敗北し、歩哨に立たされる。
その後宝探しに向かい、宝が暴かれた後の穴を見つけると、シルヴァーと対峙するも、その直後に茂みから見張っていたリヴジー、グレイ、ベン・ガンの銃弾に倒れ、シルヴァーにとどめを打たれ絶命する。