ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』の登場人物

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デイヴィッド・コパフィールド 全5冊 (岩波文庫)

デイヴィッド・コパフィールド
 主人公。物語の語り手。父親の死後に産まれた。母親のクレアラと、手伝い娘のペゴティーに育てられ、幸せな幼少期を送るが、クレアラが厳格な信仰心を持つミスター・マードストンと結婚すると、虐待を受け、それに反抗したのをきっかけにセーラム学園へと送られる。セーラム学園では、年上のスティアフォースや同級生のトラドルズといった友達に恵まれるが、鞭を持った校長先生が支配する、よい環境とは言えない学校であった。
 この時期にペゴティーの兄であるミスター・ペゴティーや、その甥のハム、姪のエミリーらとの親交を深める。
 クレアラが死去すると、ミスター・マードストンによって、ワインの壜詰の仕事をさせられ、下宿を提供したミスター・ミコーバーとその家族を知る。債務者監獄に入れられたミスター・ミコーバーが釈放され去っていくと孤独になり、この惨めな生活から抜け出すために、唯一の親戚であった大叔母のベッツィー・トロットウッドを訪ねる。
 ベッツィーによってカンタベリーの新しい学校に入れられ、法律事務所を営むミスター・ウィックフィールドの家に住居の提供を受け、その娘のアグネスや、使用人のユライア・ヒープを知る。
 学校を卒業すると、ベッツィーの手ほどきで、ロンドンにあるミスター・スペンロウが経営する法律事務所に入り、ミスター・スペンロウの娘のドーラに一目惚れをして婚約する。
 ベッツィーが破産すると、速記の記者になる努力を重ね、さらに作家として身を立てられるようになり、ドーラとの結婚にこぎつける。
 その後、ユライア・ヒープに雇われていたミスター・ミコーバーが、ヒープの悪事を告発するのを見届け、ヒープに支配されそうになっていたミスター・ウィックフィールドとアグネスを助ける。
 ドーラの死、ハムの死、エミリーと駆け落ちしたスティアフォースの死、ミスター・ペゴティー、エミリー、ミコーバー一家のオーストラリアへの旅立ちを経験し、孤独を深めると、海外での旅に出る。三年間の旅の間に、アグネスへの愛に気づき、帰国して告白、結婚し、幸せな生活を送る。
※詳しくはあらすじで

クレアラ(母さん)
 デイヴィッドの母。二十歳になる前にデイヴィッドの父親と結婚した(父親はデイヴィッドが生まれる前に死去)。再婚相手のミスター・マードストンとその姉に精神的に支配され、内心はデイヴィッドのことを思いながらもないがしろにする。その後、ミスター・マードストンとの間に子どもを設けるが、体調を崩し子どもとともに死ぬ。

ペゴティー
 デイヴィッドの生家の手伝い娘。幼少期のデイヴィッドの面倒を見る。デイヴィッドがマードストン姉弟に傷つけられ、母親すらもそれを見て見ぬふりをする状況の中、デイヴィッドを影ながら励まし続ける。デイヴィッドの母の死後、家を解雇され、運送屋のミスター・バーキスと結婚してヤーマスに住み始める。夫に先立たれると、遺産事務を引き受けたデイヴィッドの家に一時滞在し、破産したベッツィーとも懇意になる。その後自宅に戻り、婚約者に駆け落ちされた甥のハム・ペゴティーと共に暮らすようになる。
 ミスター・ペゴティーらがオーストラリアへ旅立つと、ベッツィーが再建したドーヴァーの家で家政婦として働く。

チリップ先生
 デイヴィッドの生家の医師。デイヴィッドの出産に立ち会う。同じく出産に立ち会っていたベッツィーに、期待していた女の子ではなかったため、酷い扱いを受け、それ以来ベッツィーを恐れるようになる。
 その後、別の地で開業し、大人になったデイヴィッドとコーヒー店で偶然出会い、マードストン姉弟の近況を伝える。

ミスター・グレイパー
 デイヴィッドの生家の隣人

ミスター・マードストン(エドワード)
 デイヴィッドの母親の再婚相手。厳しすぎる信仰心によりデイヴィッドとその母親のことを精神的に追いつめ、デイヴィッドに反抗されたことを理由に、学校へと追いやる。デイヴィッドの母親が死ぬと、自分が株を持つロンドンの「マードストン=グリンビー商会」でデイヴィッドを働かせる。その後、デイヴィッドが逃げ込んだベッツィーとの話し合いの末、ベッツィーにデイヴィッドに関するすべてを任せるようになる。
 その後、新しい財産家の娘を妻に迎えるが、デイヴィッドの母にしたような厳しい信仰の強要を行い、廃人同然にしてしまう。

ジェーン・マードストン
 ミスター・マードストンの姉。貴金属で飾りたてている。常にミスター・マードストンの言うことに同意し、デイヴィッドやその母親を追い詰めるような言動をとる。
ミスター・スペンロウともともと知り合いであり、デイヴィッドの母親の死後、スペンロウの娘のドーラの話し相手として同居する。デイヴィッドと久々に再会し、昔の家庭内の問題はお互い忘れようとの提案をする。しかしデイヴィッドが書いたドーラへの手紙を見つけ、それをミスター・スペンロウに見せて、デイヴィッドとドーラの関係を一時壊す。

ミスター・クィニオン
 ミスター・マードストンの仲間。マードストン=グリンビー商会の会計事務室を管理し、母親を失くしたデイヴィッドを一時雇う。

ミスター・パスニッジ
 ミスター・マードストンの仲間

ミスター・マードストンと母さんの子
 デイヴィッドの弟。デイヴィッドの母親とともに幼くして死ぬ。

ミスター・ペゴティー(ダニエル)
 ペゴティーの兄。ペゴティーの一家の大黒柱。姪のエミリーがスティアフォースと駆け落ちしたあと、二人を探す旅に出て、大陸へと渡る。その後ロンドンを拠点にしながら、大陸とイギリス本土を行き来する生活を送る。デイヴィッドの忠告に従い、エミリーの昔の友達であり身を持ち崩した女であるマーサの力を借りることにする。マーサがエミリーを見つけ出すと、エミリーとともにオーストラリアに渡って一から人生をやり直す決意を固める。ベッツィーによってオーストラリア行きを勧められたミスター・ミコーバーと共に、ハムの死を知らされないままオーストラリアへと旅立つ。
 現地では牧畜や羊飼いをやりながら成功する。デイヴィッドがアグネスと結婚して十年後、再びイギリスを訪ね、移住者の近況を語る(この時にはハムの死を知っている。)

ハム・ペゴティー
 ミスター・ペゴティーの兄(海で溺れ死んだ)の子。国民学校へ通っていた。デイヴィッドが生まれた時、手伝い娘であった姉のペゴティーに数日間秘密で匿われてデイヴィッドの家に住んでいた。ヤーマスでミスター・ペゴティーとともに暮らし、エミリーに長年恋をして婚約に成功するも、デイヴィッドの親友であるスティアフォースと駆け落ちされる。失意の中、未亡人となったペゴティーと住みながら、船大工としての生活をまっとうする。駆け落ちしたエミリーが見つかると、自分が愛を押し付けてしまったことをエミリーに申し訳なく思っているとデイヴィッドに伝えてもらう。エミリーからの返事をデイヴィッドが渡す直前に、嵐の中ヤーマスに難破した船に取り残されている船員(のちにスティアフォースと判明)を助けようとして死亡する。

ミス・ガミッジ
 ミスター・ペゴティーと同じ漁船に乗っていた相棒(貧困で死去)の元妻。現在は未亡人。自分の身の上のことを気に病み、ふさいでいる。しかしエミリーが駆け落ちすると、人がかわったようにしっかりとし、エミリーがいつでも帰ってこれるように、家に明かりをともしながらひとり留守を預かる。その後一時ハム・ペゴティーと同居し、ミスター・ペゴティーとエミリーが移住する決心をすると、一緒に連れて行ってもらうよう懇願し、オーストラリアへと旅立っていく。その船の中でコックに求婚されるが、それを断ってミスター・ペゴティーの仕事を手伝う。

エミリー
 ミスター・ペゴティーの弟(海で溺れ死んだ)の子。母親もおらず、ミスター・ペゴティーと同居していた。デイヴィッドが一時期恋する。ハム・ペゴティーに結婚を申し込まれ、一度は断るも、その二年後に婚約する。しかし結婚の二週間前に、デイヴィッドの紹介で知り合ったスティアフォースと駆け落ちする。
 スティアフォースとともに大陸へわたり、現地の言葉にも精通し、行く先々で人々の注目を引き付けるが、罪の意識から癇癪を起こすことが多くなり、スティアフォースに捨てられる。スティアフォースからは身分の申し分のない男との結婚を提案されるが、これに激怒して暴れ、スティアフォースの召使リティマーによって監禁され、窓の格子をもぎ取って脱出する。暴風雨の中を海沿いに歩き、岩場で倒れているところを現地の娘に助け出される。その後病気になるが快方に向かうと、フランスの港にある旅館で、旅をする女性たちを接待する仕事を始める。しかしそこにリティマーが現れたため、逃げ出してイギリスへと帰ってきた。罪の意識からミスター・ペゴティーの家には帰れず、ロンドンへ行き、上品に見える女性に騙されて危うい目に合いそうになったところを、マーサに助け出される。
 ミスター・ペゴティーと再会すると、彼に連れられてオーストラリアに行って人生をやりなおすことにする。旅立ちの数日前、ハムへの贖罪の手紙を書くが、その手紙が手渡されることはなかった。
 オーストラリアでは毎晩祈りを捧げ、現地の子供や病人の面倒を見て過ごす。何度も結婚の機会に恵まれたが、結婚するつもりはないと言う。

ミスター・バーキス
 運送屋の男。デイヴィッドがブランダストンの生家からミスター・ペゴティーらのいるヤーマスへ移動するときの運転手を務める。トランクの中に自分の大切なものを入れていて、何十年もの間、これを肌身離さず仕事の時も持って歩いていた。
 ペゴティーのことを気に入り、デイヴィッドに「バーキスは意欲満々だとも」と伝言を頼む。ペゴティーがミスター・マードストンによって解雇されると、結婚するが、リューマチを患って死去する。臨終の間際「バーキスは意欲満々だとも」と、ペゴティーへの想いを口にする。

ウェイター(ウィリアム)
 ヤーマスの宿屋のウェイター。幼少のデイヴィッドを騙して金を奪う。

メル先生
 セーラム学園の先生。母親が救貧院にいることをスティアフォースに言いふらされ、学校を去る。その後オーストラリアに移住し、現地で博士になり、子供を設ける。

ミセス・フィビットソン
 メル先生の母親がいる救貧院にいた老人。

クリークル校長先生
 セーラム学園の校長。低くつぶやくように話す。生徒たちを鞭で打つことを楽しみにしている。
 校長をやめると、治安判事となり、デイヴィッドが名声を得ると手紙をよこし、かつて優しく慈しんでいたかのように迎え、自分の管轄の刑務所で、囚人たちの悔悛を聞かせる。

タンゲイ
 義足の男。低くつぶやくように離すクリークル校長の言うことを繰り返すスピーカーの役割を担っている。

シャープ先生
 セーラム学園の先生。

トミー・トラドルズ
 セーラム学園からのデイヴィッドの同級生。いつもクリークル校長先生に鞭でたたかれ、損な役回りを演じていた。髪の毛が逆立っている。学校を出た後、叔父に引き取られたが、その叔父が亡くなり路頭に迷う。しかしセーラム学園の友達の口利きで法律の文書を清書する仕事を始めたのがきっかけとなり、法律の勉強を始め、副牧師の娘であるソフィーと婚約した。アグネスが一時期滞在していたミスター・ウォーターブルックの家の晩餐会でデイヴィッドと再会する。下宿先の大家を勤めていたミスター・ミコーバーに名義を貸したのが原因で、彼の破産に巻き込まれ、差し押さえに会う。
 破産したデイヴィッドに、新聞社に入るにはどうしたらいいかと聞かれ、速記述のマスターを勧める。さらに達筆なミスター・ディックには書類の清書を勧める。
 デイヴィッドがドーラの二人の叔母に、ドーラとの交際を認めてほしいと頼みに行くのに付き合い、ドーラとデイヴィッドの結婚式の日には後援者として出席し、結婚許可証を帯同する。
 その後、弁護士の資格を手にし、不動産譲渡取扱人の事務所で職務に着く。
 ミセス・ミコーバーから、夫を心配する手紙が届くと、デイヴィッドと共にミスター・ミコーバーと接触を図り、ウィックフィールド=ユライア法律事務所へ行って、ユライア・ヒープの悪事を暴くミスター・ミコーバーの演説を聞く。その際に話を聞くことができないミスター・ウィックフィールドの代理人を務める。ミコーバーの演説後、悪事の証拠となる文書を提出させるために、ユライア・ヒープを監視する。
 その後ユライア・ヒープに提出させた書類に目を通し、ミスター・ウィックフィールドやベッツィーの財産を計算し、一連の事件で失われた分を取り戻すことに尽力する。
 デイヴィッドが三年の旅に出ている間に弁護士になり、長年婚約していたソフィーと結婚する。
 デイヴィッドとアグネスの結婚式に参列する。
 その後二人の息子をもうけ、自分の幸福な人生に感謝しながら、日々を送る。

ジェイムズ・スティアフォース
 デイヴィッドより六歳年上のセーラム学園の先輩。人を楽しませる技術に長け、ハンサムで物知りであるが頑固な性格。学園時代はデイヴィッドの憧れであり、親友であった。オックスフォード大学に入学し、偶然再会したデイヴィッドと旅行した際にエミリーと出会う。最初はエミリーの家族と仲良くやっていたが、エミリー号と名付けた船を一家に送ると、そのうちにエミリーの婚約者であるハムのおっとりしたところに苦言を呈すようになり、召使であるリティマーの協力を得て、エミリーと駆け落ちする。
 しばらくは大陸の国々を移動する生活を送っていたが、罪の意識から癇癪を起すようになっていったエミリーに辟易し、彼女を捨てて申し分のない結婚相手を見つけ出す。エミリーが逃げ出すと、それに腹を立てて、召使のリティマーを解雇する。
 その後船に乗って各地を旅していたようだが、ヤーマスで嵐にあい、難破して死亡する。

ミスター・ミコーバー(ウィルキンス)
 もともとマードストンの知り合いで、注文の委託業務をしていた。デイヴィッドがマードストン=グリンビー商会にいたときに下宿を提供する。借金により度々破産し、そのたびに絶望してデイヴィッドに仰々しい手紙を送るが、立ち直るのも早い。マードストン=グリンビー商会に勤めるデイヴィッドに住居を提供している時に債務者監獄に入り、資産処分破産者救済法の適用を受けて釈放された後、プリマスの親戚を頼る。しかし監獄あがりだったため親戚からよく思われず、カンタベリーへと来て、ユライア・ヒープの家を訪れに来ていたデイヴィッドと偶然再会し、ユライア・ヒープとも仲良くなる。カンタベリーで親戚からの送金を待ちながら暮らしていたが、その当てが外れ、再び破産する。
 その後トラドルズの下宿先の大家になり、デイヴィッドと再々会する。穀物の委託販売に手を染めているが採算が取れずに水道を止められ、家賃未払いのため再び破産して、名前を貸したトラドルズとともに差し押さえに会う。
 その後再び差し押さえにあい、一時期はモーティマーと名を変えて人目を忍んで生活していたが、新聞に自分を売り込む広告を出し、それを見たユライア・ヒープに雇われ、カンタベリーに住む。
 ヒープから支払われた給料はごくわずかであり、彼に借金を申し込んだことがきっかけでヒープがウィックフィールドを支配するのに加担されそうになる。そのため家族に暴力をふるうほどに追い詰められていたが、十二か月にわたる孤独な調査のすえ、ヒープの詐欺行為をあばくと、家族との絆を取り戻す。
 ヒープを告発したことで職をなくし、ベッツィーにオーストラリア行きを勧められて旅立ちを決意する。借金があったヒープに数回訴えられるが、デイヴィッドやトラドルズの援助を受け、ミスター・ペゴティーらとともに旅立っていく。
 オーストラリアでは真面目に働き、治安判事として成功する。新聞への投書をさかんに行い、その中にデイヴィッドへの友情を書いたものを寄稿する。

ミセス・ミコーバー(エマ)
 ミスター・ミコーバーの妻。すぐに破産する夫を支え、どのような職に就くのがいいのかいつも考え、夫が立派な社会的地位につくことを夢見ている。「夫のことを見捨てない」と口癖のように言い、夫が負債者監獄に入った時も、子供とともに監獄に移り住む。夫と同様、楽天的な性格。夫が負債者監獄に入っていたことから、実家とは疎遠になっている。ユライア・ヒープに雇われて気難しくなった夫を心配し、デイヴィッドやトラドルズに手紙を書く。ミスター・ミコーバーがユライア・ヒープの告発を終えると、家族の絆を取り戻し、オーストラリアへと旅立っていく。

ミスター・オーマー
 ヤーマスの葬儀屋「オーマー」を営む。太っていて背が低いおじいさん。デイヴィッドの母親の葬式を執り行う。
 娘のミニーと自分の店で働いていたジョーラムが結婚すると、店の名を「オーマー・アンド・ジョーラム」に変え、エミリーを年季奉公で預かる。ミスター・バーキスの容態の悪化でヤーマスを訪れたデイヴィッドと久々に再開する。エミリーが駆け落ちするとそれを気に病んで床につく。

ミニー
 ミスター・オーマーの娘。デイヴィッドの喪服の寸法を測る。同じ店で働いていたジョーラムと結婚し、子供を二人作る。駆け落ちしたエミリーを非難する。

ジョーラム
 ミスター・オーマーのもとで棺を作る。もともと恋人同士であったミニーの夫となり、ミスター。オーマーの共同経営者となる。スティアフォースの遺体の管理をする。

ミック・ウォーカー
 マードストン=グリンビー商会でデイヴィッドに仕事を教えた少年。

ミーリー・ポテイトーズ
 マードストン=グリンビー商会でのデイヴィッドの相棒。

ティップ
 馭者。ミスター・ミコーバーが債務者監獄から去った後、短期間デイヴィッドに下宿先を提供した。

ベッツィー・トロットウッド(伯母さん)
 デイヴィッドの大叔母(父親の叔母)。強気な性格。一度はハンサムな男と結婚したが、暴力をふるわれるようになると、慰謝料を払ってこの男を追い出し、ドーヴァーに小さな家を買って独身を通している。家の庭に入ってくるロバを憎んでいる。遠縁のミスター・ディックを引き取り、共に生活している。
 デイヴィッドの生前、母親を訪ね、女の子だと思い込んで名付け親になろうとするが、男の子であるデイヴィッドが生まれると、腹を立てて姿を消す。その後マードストン=グリンビー商会を抜け出してきたデイヴィッドを引き取り、後見人となる。
 ミスター・ウィックフィールドに紹介されたカンタベリーの学校にデイヴィッドをやり、その後ミスター・スペンロウにデイヴィッドが立派な社会的地位につけるように相談し、ローマ法博士会で代訴人としての職を与える。
 デイヴィッドがドーラと婚約しているときに破産し、ロンドンにあるデイヴィッドの家に住みこみ、デイヴィッドが結婚すると、妻のドーラを可愛がる。
 デイヴィッドらと共にウィックフィールド=ユライア法律事務所へ行き、ユライア・ヒープの悪事を暴くミスター・ミコーバーの演説を聞く。その際に自分が破産した原因はユライア・ヒープが投資先のミスター・ウィックフィールドを騙していたせいだと知り、資金を取り戻すことに成功する。
 元夫はインドに行って死んだと周りに話していたが、その夫はまだ生きて落ちぶれており、たびたび金をせびりに来て、その度にかなりの額を渡していた。その夫が他界すると、デイヴィッドにそれを伝えて涙を流す。
 ドーラの死後、デイヴィッドが旅に出ている間に、ドーヴァーに家を再建し、ミスター・ディック、ペゴティーとともに住む。
 物語の結末では八十歳になっても、元気に歩く姿が描かれる。デイヴィッドの子供にベッツィーと名付ける。

ジャネット
 ミス・ベッツィーの家の使用人。ミス・ベッツィー破産後は家を任され、家に居住者が決まると、ストロング先生のところに奉公に出る。その後再びベッツィーのもとで働くが、居酒屋の店主と結婚して家を離れる。

ミスター・ディック
 ミス・ベッツィーの遠縁。ベッツィーのことを世界一すばらしい女性だと思っている。
 リチャード・バブリーという名前だが、同じ名前の人に虐待され、その名前を嫌うようになった。頭脳にやや欠陥があり、兄によって精神病院に追いやられそうなところをミス・ベッツィーに引き取られた。チャールズ一世の頭が自分に移植されていると思い込んでいる。回想録を書いているが、チャールズ一世が頭の中に現れるたびに、作業を中断する。マードストン=グリンビー商会から抜け出してきたデイヴィッドとすぐに仲良くなり、毎日凧揚げをする。デイヴィッドがカンタベリーの学校へ行くと、時たま顔を出し、学校の皆に受け入れられる。
 ベッツィーが破産すると、ロンドンのデイヴィッドの家の近くにある荒物屋の二階に滞在する。
 デイヴィッドによってトラドルズに紹介されると、すぐ懇意になり、彼に勧められた書類の清書の仕事をストロング先生のもとで始め、破産したミス・ベッツィーを援助する。
 ストロング先生とアニーの関係が悪くなると、自分の頭がおかしいことを利用して、二人の仲をひきとめる役割をする。
 デイヴィッドらと共にウィックフィールド=ユライア法律事務所へ行き、ユライア・ヒープの悪事を暴くミスター・ミコーバーの演説を聞く。
 その後ベッツィーと共に、ドーヴァーに再建した家に住み、手当たり次第に清書をして過ごす。デイヴィッドに子供ができると、大凧を作って遊ぶ。

ミスター・ウィックフィールド
 カンタベリーで法律事務所を営んでいる。娘のアグネスを溺愛している。妻はアグネスを産んですぐに死去(反対された結婚であったため、妻は実家から勘当されていた)。父親を亡くしたユライア・ヒープを事務所で雇っていた。
 デイヴィッドにカンタベリーでの学校を紹介し、自宅に預かる。ドクター・ストロングの妻アニーがいとこのジャック・モールドンと愛し合っていることに憂慮し、ジャック・モールドンをインドでの職につけさせる。
 アグネスを溺愛するあまり、判断力が鈍っていたところに、自分への多大な委託金をユライア・ヒープに移行するという署名にサインをしてしまい、さらにその金を支払い済にされ、あたかも自分が悪だくみをしたように装われた。そのため、ヒープに自分の悪事を握られた形になり、自分の事務所を支配され、事務所の名前も「ウィックフィールド=ヒープ事務所」になる。ユライアとの立場は逆転し、彼の振る舞いに屈辱を覚えながらも、ご機嫌を取らざるを得ない状況になり、アグネスがユライアに奪われることになるのではないかと気に病む。
 ミスター・ミコーバーがヒープのこれらの悪事を暴く演説には行かなかったものの、トラドルズを代理人に立てた。ヒープがいなくなると、元気を取り戻し、庭いじりをして過ごす。

アグネス・ウィックフィールド
 ミスター・ウィックフィールドの一人娘。学生生活を送るデイヴィッドと同じ屋根の下で暮らし、姉がわりとなる。泥酔したデイヴィッドとともにいたスティアフォースの危うさを一目で見抜き、デイヴィッドに警告を与える。
 ユライア・ヒープに支配されていく父親のミスター・ウィックフィールドの身を案じ、父親が自分のことを大事にするあまりに凋落していったのではないかと嘆く。
 その後ベッツィーの破産の話を聞いてロンドンに駆け付け、ストロング先生が秘書を探していることをデイヴィッドに教える。
 ミスター・スペンロウの死後、ドーラと会えなくなったデイヴィッドを慰める。ストロング先生宅へ二週間ほどの滞在をしている時に、デイヴィッドからドーラを紹介され、深い絆で結ばれる。
 ユライア・ヒープが自分をつけ狙っていることを知りながら、同じ家に住み、しばらくは父親の面倒を見るが、ミスター・ミコーバーがヒープの悪事を暴く演説をしたため、親子共々ヒープからの支配を逃れる。
 ドーラの死期が近づくと、デイヴィッドとドーラの家に呼ばれ、ドーラの死を看取る。その際にドーラによってデイヴィッドのことを頼まれる。
 幾度となく結婚の機会に恵まれるが、すべて断り、父親の面倒を見ながら過ごす。
 その後、旅から戻ったデイヴィッドに愛の告白を受けると、自分も最初から彼のことを愛していたと告白し、結婚して三人の子供を産む。

ユライア・ヒープ
 「死人のような顔」をした卑しい身分の男。無慈悲で執念深い性格。父親は墓掘り。慈善学校で教育を受ける。父親が死んで一年でウィックフィールドの好意で年季契約で事務所に入った。上流階級からの蔑みに復讐心を燃やしている。
 ジャック・モールドンにこきつかわれていたことがあり、ジャックとアニーが一時期惹かれ合っていたことを、アニーの夫であるストロング先生に話してしまう。
 ミスター・ウィックフィールドの判断力が鈍ってきたのを察し、彼への委託金を抜き取る権限を自分に移させる重要書類に署名をさせ、その金を本来弁済する必要のない支払い済みの弁済にあてることで、ミスター・ウィックフィールドに罪を作り、その弱みを握る。さらにはミスター・ウィックフィールドの筆跡を真似て署名をしたり、証文を偽造してウィックフィールドの財産を搾り取ろうと画策する。
 そして事務所の経営を支配し、共同経営者に上り詰め、アグネスを妻にしようとたくらむ。アグネスと仲の良いデイヴィッドに敵意を燃やし、デイヴィッドがアグネスを訪ねると常に監視の目を光らせる。
 デイヴィッドとの関連で知り合いになっていたミスター・ミコーバーが新聞の広告で自分を売り込んでいるのを知って雇うが、わずかな給料しか雇わず、ミコーバーが自分に借金をしたのを機に、自分の悪事へ加担させようとする。
 しかしそれらの悪事がミスター・ミコーバーによって暴かれると、証拠となる文書や帳簿をすべて提出させられる。警察行きは免れて去っていくが、遠方からミスター・ミコーバーへの借金取り立てを行う。
 その後、イングランド銀行相手に詐欺を働き、大金を得ようとした罪で服役する。クリークルの管轄する刑務所に入り、模範囚として、そこを訪れたデイヴィッドとトラドルズの前で悔悛する。

ユライア・ヒープの母
 ユライア同様、卑屈な態度で上流階級と接する。ユライアがアグネスを手に入れようとしているのを知り、デイヴィッドがアグネスと話をするときも常に二人を見張る。ユライア・ヒープの悪事が暴かれると、デイヴィッドやトラドルズに息子を許すよう懇願し、証拠となる帳簿を提出する。

ストロング先生
 カンタベリーの学校でデイヴィッドの面倒を見た先生。若くて美しい妻のアニーがいる。新しい辞書を作ろうとしており、デイヴィッドが卒業後に破産した際にも手伝いとしての一時的な仕事をくれる。
 アニーとジャック・モールドンが惹かれ合っていたことをユライア・ヒープによって知らされて苦悩するが、寛大な心で全てを許し、気晴らしになるようにと、アニーの母親のミセス・マークラムを呼ぶ。さらに全財産をアニーへと譲渡するという遺言状を書いたことで、アニーから尊敬と感謝の気持ちを得て、愛を取り戻す。
 デイヴィッドとアグネスの結婚式に参列する。
 結末では夫婦仲良く辞書作りに専念する姿が描かれる。

アニー
 ストロング先生の妻。世間を知る前にストロング先生と結婚したが、裕福だから周りに勧められた結婚だと思い、惨めに生活していた。さらにいとこのジャック・モールドンに惹かれ、苦んむ。ジャック・モールドンがインドに旅立つと卒倒するが、その後帰国したジャック・モールドンとは二人きりで会わないようにする。
 ストロング先生の計らいで母親のミセス・マークラムと同居するが不幸な気持ちは消えなかった。しかしストロング先生がアニーに全財産を譲渡するという遺言状を書いていることを知り、ストロング先生を心から愛し続けることを誓う。
 デイヴィッドとアグネスの結婚式に参列する。

ジャック・モールドン
 アニーのいとこ。人間に対して無関心な態度を取る。アニーと惹かれ合うが、ミスター・ウィックフィールドによって士官候補生としてインドに送られる。ミセス・マークラムの計らいで帰国し、小さな特許事務所に勤める。

ミセス・マークラム
 アニーの母親。風格があり、ストロング先生に対抗して親戚一同を結集する手腕から、「つわもの」。ストロング先生が裕福なため、アニーに結婚を勧める。アニーの気晴らしになるようにとストロング先生に招かれるが、自分の方が遊ぶのが好きで、アニーのためにならないことばかりしている。その後、零落した立場に追いやられる。

アダムズ
 カンタベリーの学校にデイヴィッドが入学したときの級長。後に弁護士となる。

ミス・シェファード
 デイヴィッドが学生時代に恋した女子学園の寄宿生

肉屋
 デイヴィッドが学生時代によく喧嘩した相手。結婚し子供を設ける。

ミス・ラーキンズ
 デイヴィッドが学生時代に恋をした三十歳くらいの女性

ミスター・チェルス
 ホップを栽培する。ミス・ラーキンズと結婚。

スティアフォースの母
 スティアフォースと同じように威厳があり頑固な性格。もともとスティアフォースのことを溺愛していたが、彼とエミリーが駆け落ちすると、勘当する。もともとデイヴィッドのことを温かく迎えていたが、疎遠になり、彼らの結婚の許可を求めるミスター・ペゴティ―と話し合いをするも、金で解決しようとし、物別れに終わった。スティアフォースが死んだことを知ると、ローザ・ダートルから罵倒を受け、気絶する。
息子の死を受け入れられないまま、呆け、ローザ・ダートルに世話を受ける。

ミス・ダートル(ローザ)
 スティアフォースの母親と同居する遠縁の女性。美人であるが、幼少の頃のスティアフォースにハンマーを投げつけられてついた傷あとが顔に残っている。なんでも遠回しにものを言う癖がある。ハープを弾くのが上手い。スティアフォースがスティアフォースと駆け落ちすると二人の事を恨み、エミリーを連れてきたデイヴィッドを非難する。
 エミリーがロンドンに帰ってくると、酷い言葉で罵倒し、エミリーが姿をくらまさないかぎり、この後も居場所をつきとめてエミリーの犯した罪の噂を流すと宣言する。スティアフォースの死の報せを聞くと、彼のことを愛していたことを告白して嘆く。さらにスティアフォースを散々甘やかし、その高慢な性格を受け継がせたのがその死を招いたとして、スティアフォースの母親を激しく非難する。
 その後もスティアフォースのことを忘れられない様子であるが、呆けてしまったスティアフォースの母親の面倒を献身的に見る。

グレインジャー
 スティアフォースの年下の友人。

マーカム
スティアフォースの年下の友人。

リティマー
 スティアフォース抱えの召使。常に完璧に上品な態度をとっているが、デイヴィッドのことを幼いという印象で見ている。
 スティアフォースとエミリーとの駆け落ちの手はずを整え、海外を旅する二人についてまわる。
 スティアフォースに捨てられたエミリーを監禁するが逃げられ、このことが原因でスティアフォースに解雇される。
 その後、勤め口から二百五十ポンドを海外に持ち逃げしようとして、ミス・モウチャーの活躍により捕まる。ユライア・ヒープの隣の独房に入り、デイヴィッドとトラドルズの前で悔悛する。

ミス・モウチャー
 美容の仕事をする四十過ぎのおしゃべりな小人。国中で様々な著名人を担当している。スティアフォースの髪の手入れも担当している。
 スティアフォースとリティマーにだまされて、デイヴィッドとエミリーが惹かれ合っていると吹きこまれ、スティアフォースがそれを憂慮していると思い込み、スティアフォースからの手紙をエミリーに渡す。これが結果としてスティアフォースとエミリーの駆け落ちへとつながった。
 その後、勤め口から盗みを働いて海外に逃れようとするリティマーを捕まえ、法廷でもしっかりと彼の悪事を証言する。

マーサ・エンデル
 エミリーの二、三歳上の学校が同じだった女。現在は落ちぶれている。エミリーの婚約者であったハム・ペゴティ―から金を恵んでもらい、自分のことを誰も知らないロンドンへと旅立つ。エミリーを探していたミスター・ペゴティーがロンドンに帰ってきて、どのような足跡を辿ったのかをデイヴィッドに話すのを、建物の門の蔭から聞き耳を立てる。
 その後も落ちぶれた生活を続け、絶望してテムズ河の河岸にいたところ、デイヴィッドとミスター・ペゴティーに話しかけられ、エミリーの捜索を依頼される。エミリーがロンドンに帰り、危険な立場に立たされそうになっていたところを助け出し、自分の貧しい下宿先にかくまう。その後ミスター・ペゴティーの計らいで、オーストラリアへと旅立っていく。現地で農場の男と結婚する。

ミスター・スペンロウ(フランシス)
 ローマ法博士会で「スペンロウ・アンド・ジョーキンズ法律事務所」の経営を行う。デイヴィッドを自分の事務所に雇う。娘のドーラを溺愛し、自分が経営するローマ法博士会を自画自賛している。一時期デイヴィッドを自宅に招待するほど懇意になったが、ドーラとデイヴィッドの付き合いを知ると、デイヴィッドとの付き合いを仕事だけに限定することにする。そのことをデイヴィッドに伝えた翌日に、馬車から転落して死去する。敏腕で、実質一人で事務所を経営していたが、世間体に遺産をつぎ込み、零落していたことが死後明らかになる。

ミスター・ジョーキンズ
 ミスター・スペンロウとともに、法律事務所を経営する。温厚だが、有能とは言えない老人。めったに人前に姿を見せない。破産したデイヴィッドに年季契約の解消と謝礼金の返還を頼まれたが、それを断る。ミスター・スペンロウの死後、事務所を一人で立て直すことができず、評判を落とすことになる。

ドーラ・スペンロウ
 ミスター・スペンロウの一人娘。デイヴィッドと出会った時はパリから戻ってきたばかりで、マードストンの姉に世話を受けていた。ジップという犬を可愛がっている。デイヴィッドから申しだされた婚約を受け入れるが、父親の死により、パトニーにいる二人の叔母に引き取られ引きこもる。その後デイヴィッドと結婚するが、世間を知らずに育ったため、デイヴィッドが破産した際も働く理由がよくわからず、家計簿がつけられずに料理もできなかった。さらに身勝手な使用人に対して厳しく接することができず、家の中が荒れる。そのような自分に引け目を感じており、デイヴィッドはアグネスと結婚した方が良かったのではないかと感じるようになる。
 健康がすぐれなくなって歩くことができなくなり、ジップとともに死去する。死ぬ直前、自分の椅子に座るようになってほしい(将来デイヴィッドと共に生きていってほしい)と、アグネスに頼む。

ミス・クラップ
 ローマ法博士会に勤め始めたデイヴィッドの下宿先を営む太った女性。ひきつけの持病がある。
 デイヴィッドの階までのぼるのが難儀で、呼び鈴を押すデイヴィッドに反発したため、デイヴィッドの天敵のようになる。しかしベッツィーがデイヴィッドの家に同居するようになると、彼女のことを恐れ、部屋に寄り付かなくなった。

ミスター・ウォーターブルック
 ミスター。ウィックフィールドの代理人。アグネスが一時期滞在する。

ミスター・ヘンリー・スパイカー
 大蔵省と関連のある人物の顧問弁護士。ミスター・ウォーターブルックの夕食会に参加する。

ミセス・ヘンリー・スパイカー
 ハムレットの近親者ではないかと思わせる恐ろし気な女性。ミスター・ウォーターブルックの夕食会に参加する。

ミスター・ガルピッチ
 イングランド銀行と間接的に法律関係の業務で関係がある。ミスター・ウォーターブルックの夕食会に参加する。

ミセス・ガルピッチ
 その妻。

足の悪いにやけた男
 ミスター・ウォーターブルックの夕食会でアグネスにつきまとう。

ミス・ミルズ(ジュリア)
 ドーラの大親友。つまらない男に恋をして不幸になり、世間から引きこもっている。ロマンティックな恋に憧れており、デイヴィッドがドーラに近づくのに協力する。ミスター・スペンロウの死後、二人の叔母に引き取られたドーラの面倒をみて、ドーラと会うことができないデイヴィッドに状況を知らせる。
 父親の仕事の関係でインドへと旅立つ。その後、スコットランド人の大金持ちの年寄りと結婚するが、心に空虚を抱えている。

ティフィー爺さん
 ローマ法博士会の手伝い。

ミス・ラヴィニア
 ドーラの叔母。恋愛に詳しい。ミスター・スペンロウの死後、ドーラを預かり、ドーラとデイヴィッドの交際、結婚を認める。

ミス・クラリッサ
 ドーラの叔母。ミスター・スペンロウが自分たちを結婚式に呼ばなかったことを根に持っているが、彼の死後、ドーラを預かり、ドーラとデイヴィッドの交際、結婚を認める。

ソフィー
 トラドルズの婚約者。九人の姉妹(長女は美人のキャロライン。遊び人と結婚して出戻る。次女は足の悪いセーラ、その他ルイーザ、マーガレット、ルーシーなど)の四女。姉妹の母親のような存在で、手足の自由がきかない母親(ミセス・クルーラー)の面倒も見ている。デイヴィッドの結婚式で華燭の典に指名される。気立ての好い性格。のちにトラドルズと結婚し、彼の仕事を助けるために清書の勉強をする。
 デイヴィッドとアグネスの結婚式に参列する。
 トラドルズとの間に二人の息子をもうけ、頻繁に訪れてくる姉妹らと賑やかに暮らす。