ジェイン・オースティン『高慢と偏見』の詳しい登場人物紹介

19世紀のイギリスの女流作家ジェイン・オースティンの代表作『高慢と偏見』(または『自負と偏見』、Pride and Prejudice)の登場人物を詳しく紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。

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ベネット氏
ロングボーンにある邸宅に住み、五人の若い姉妹を抱える。若さと美しさに惹かれて妻と結婚したが、理解力が低い女であったため、田舎と本を愛し、妻からはその無知と愚かさから面白いところを見せてもらうこと以外に期待することはなくなっている。期待していた男児が生まれなかったために、ロングボーンの土地をコリンズに相続することが決まっており、自分の死後に妻や未婚の娘に残す財産がないことを気にかけている。才気はあるが、皮肉屋で気まぐれ。他の娘より賢いエリザベスのことを気に入っている。
リディアがウィカムと駆け落ちすると、怒りにまかせてロンドンに探しに出るが、二人のことを見つけられず、義弟のガードナー氏に二人の捜索をまかせ、自宅へ戻る。リディアが見つかると、ロングボーンの敷居をまたがせないと言い張るが、ジェーンとエリザベスに口説き落とされ、自宅で結婚式を開く。
エリザベスとダーシーの婚約の噂が立つと、やめさせるようにというコリンズからの手紙を受け取るが、エリザベスがダーシーを嫌っていると思っていたため、それを一笑に付す。しかしエリザベスがダーシーのことを真剣に想っていることがわかると、その結婚を心から喜ぶ。エリザベスがいなくなると寂しがるが、ペムバリーの彼らの邸を出し抜けにしばしば訪れる。

ベネット夫人
ベネット氏の妻。結婚して二十三年になる。貧弱な理解力と乏しい知識と移り気な女で、娘たちを結婚させることと世間話と訪問にしか興味がない。舞踏会ではビングリーのことを気に入り、ダーシーのことを不愉快に思う。
ビングリー家に招待されたジェーンをビングリーと近づけるため、雨が降りそうな中を馬車ではなく馬で行かせ、ジェーンをビングリー家に宿泊させることに成功する。しかしそれがもとでジェーンが重い風邪をひいてしまう。ビングリーとジェーンが親密なのを見ると、二人が結婚することを決めつけたような話しぶりをして、ビングリーの姉妹やダーシーを辟易とさせ、このことが原因でビングリーがジェーンから遠ざけられるようになってしまう。
さらに自分たちの家の相続人であるウィリアム・コリンズからの求婚をエリザベスが断り、コリンズが近所に住むシャーロットとの結婚を決めると不機嫌になり、愚痴を言って過ごす。
リディアがウィカムと駆け落ちすると、病気になって寝込むが、二人の結婚が決まると喜びを抑えず、リディアに対して厳しい処置をとろうとするベネット氏と言い争いになる。
リディアとウィカムが北方に旅立っていくと、寂しさを口にしながら過ごすが、ビングリーがネザーフィールドに帰ってくると、再びジェーンとの結婚を期待するようになり、ビングリーを頻繁に招待し始める。
長らくダーシーのことを嫌っていたが、エリザベスがダーシーからの婚約の申し出を受け入れたと言う話を聞いた途端に、意見を一転させ、その結婚に大喜びする。

ジェーン・ベネット
ベネット家の長女。善良で愛想がよく、器量も良い。近所のネザーフィールドに引っ越してきたビングリーと舞踏会で踊り、惹かれ合う。ビングリーの姉妹であるルイザとキャロラインにも気に入られ、家に招かれるが、道中雨に打たれて重い風邪をひく。滞在が長期にわたることになり、ビングリーと更に親密になる。その後短期間のロンドン滞在を予定していたビングリーが帰ってこなくなると、悲嘆にくれるも、それを表には出さないように努めながら生活する。ロンドンに住む叔母のガードナー夫人に招かれて長期滞在するが、結局ビングリーには会うことができずに帰ってくる。これらはジェーンの母や幼い妹たちの礼儀を欠いた振る舞いに、ダーシーとビングリーの姉妹が眉をひそめた結果、彼女をビングリーから遠ざけようとしたためであった。しかしそのことを知らされず、ビングリーへの愛情を枯らすことなく、思い出を大切にしながら過ごす。
その後ネザーフィールドに戻ってきたビングリーからの結婚の申し込みを受け、幸福な結婚を行う。
結婚後はネザーフィールドに一年ほど住み、その後、エリザベスとダーシーの住むペムバリーから三十マイル以内の、ダービシアの隣の州に居を移す。

エリザベス・ベネット
主人公。ベネット家の次女。才気があり、人を見る目に長けていることを自負している。ビングリーの姉妹であるルイザとキャロラインの高慢なところを見抜き、人の愚かなところが目に入らないジェーンを注意する。
ビングリー家に行ったジェーンが風邪をひくと心配し、三マイルの道を足元を汚しながら歩いていき、ビングリー家に滞在することになる。しかしそのためにルイザとキャロラインから軽蔑され、高慢だと噂される。ダーシーが自分に興味を持っていることに長い間気づかず、ダーシーに惹かれているキャロラインから嫉妬を受ける。
メリトンを訪れた将校ウィカムに惹かれ、彼のものになるはずだった教会財産をダーシーが他の者に譲渡しとたいう話を信じ、ダーシーに反感を覚える。
自分の家を相続することになっている従兄弟のウィリアム・コリンズからの訪問を受ける。コリンズはベネット氏の死後に家を相続することを心苦しく感じ、その罪滅ぼしのために姉妹の誰かと結婚するつもりであった。そのために目を付けられ求婚されるが、その申し出を断る。
その後、シャーロットと結婚したウィリアム・コリンズ邸で、その近所に住むキャサリン・ダ・バーグの家を訪れているダーシーから愛の告白を受ける。しかしウィカムから聞いたダーシーの悪い噂を信じていたため、彼を非難した上で申し出を断る。その翌日に渡されたダーシーからの手紙で、実はウィカムが悪人であったことを知り、分別を鼻にかけていた自分を恥じる。
叔父のガードナーと共にダービシアへ旅行に出ると、ペムバリーに寄ることになり、そこを地所としているダーシーと出くわし、妹のジョージアナーを紹介される。以前に比べて愛想がよくなり、さらに広大なペムバリーの地で多くの者の幸福に寄与しているダーシーに好意を持つようになり、結婚の申し出を断ったことを後悔し始める。その旅行中にリディアとウィカムが出奔したという報せを受け取り、ロングボーンに戻る。
ダーシーがリディアとウィカムの婚礼に参加したことを聞くと、出奔した二人の行方を捜していたガードナーの妻に手紙を書いてその理由を聞き、ダーシーが二人を見つけて結婚を取りまとめたということを知る。
その後、ネザーフィールドにビングリーとともに帰ってきたダーシーが再び不愛想な態度を見せると、自分への興味を失ったのではないかと感じ始める。さらにダーシーと自分が婚約したと言う噂がどこからともなく流れ始めると、そのことでキャサリン・ダ・バーグやコリンズから非難を受けるようになり、不安に駆られる。
しかし、リディアの結婚をまとめてくれたことに対して、ダーシーに感謝の意を述べると、再び婚約の申し出を受けたため、受け入れる。
結婚後はペムバリーに住み、ジョージアナーとも大変親しくなる。

メアリ・ベネット
ベネット家の三女。器量が悪く、学問と芸事の熱心に勉強している。
ジェーンやエリザベスの結婚後、ただ一人家に残る。姉妹がいなくなり、世間と接触しなくてはならなくなったが、客人相手に得意のお説教をして過ごす。

キャサリン・ベネット(キッティ)
ベネット家の四女。メリトンにある叔母の家をよく訪ね、そこに駐屯する士官たちの後を追い廻して生活する。
リディアがフォースター夫人に誘われて、士官たちのメリトンの次の駐屯地であるブライトンに行くと、嫉妬する。家族の誰よりも早くウィカムとリディアの関係を知っていたが、それを秘密にしていたために叱責を受ける。
リディアからの舞踏会の誘いをしばしば受けていたが、行くことを許されなかった。ジェーンとエリザベスの結婚後は、どちらかの家で大半を過ごし、最終的には賢明な娘となる。

リディア・ベネット
ベネット家の五女。発達の良い十五歳。母のお気に入り。メリトンにある叔父のフィリップスの家をよく訪ね、メリトンに駐屯する士官たちと遊ぶ。生まれつき軽はずみな自惚れ屋であったが、士官たちにちやほやされてその自惚れを増長させる。
メリトンで懇意になったフォースター夫人から、次の連隊の駐屯地であるブライトンで一緒に過ごす誘いを受け、有頂天になってブライトンへ旅立つ。
それ以前からウィカムとは恋人関係にあったようで、ブライトンからロンドンへ駆け落ちを行い、ガードナー氏に発見され結婚する。家族に対して引け目を感じる事もなく、ロングボーンで結婚式を挙げ、ウィカムの新しい駐在先である北方へと旅立っていく。
エリザベスが結婚し、ペムバリーに住み始めると、夫がいないときにしばしば訪れに来る。生活が不安定になり、エリザベスやジェーンから送金される金を家計の足しにする。夫婦間の愛情を間もなく冷ますこととなるが、不貞を働くことはしなかった。

チャールズ・ビングリー
ベネット家の近所のネザーフィールド荘園に引っ越してきたハンサムな青年。もともとイングランド北部に住んでおり、死んだ父親から十万ポンドを譲り受けている。
好男子で愛想がよく、快活に振る舞い、皆の評判になる。舞踏会ではジェーンに出会い、惹かれ合う。姉妹のキャロラインとルイザが自宅を訪れてきたエリザベスに対して悪口を言う中、一人親切に接する。
ジェーンのことを熱烈に愛していたが、ジェーンの方がそれほど熱烈にその愛を受け取っているように見えなかったことや、その母や幼い妹たちが無礼な言動を取っていたため、ダーシーや姉妹たちに結婚を阻止しようという企てを立てられてしまい、三、四日の滞在にする予定だったロンドンに腰を据える事となる。ジェーンがロンドンを訪れてもそれを知らされず、疎遠になる。
しかしその後、ジェーンからの愛は本物であったとダーシーから聞かされ、再びネザーフィールドに戻り、婚約の申し込みをして結婚する。
結婚後はネザーフィールドに一年ほど住み、その後、エリザベスとダーシーの住むペムバリーから三十マイル以内の、ダービシアの隣の州に居を移す。

ルイザ・ハースト
ビングリーの姉。都会で一流の教育を受けた。現在はハースト氏と結婚している。ジェーンのことを気に入っている。エリザベスからは内面の高慢さを見破られている。ジェーンが自宅で病気になった時に、三マイルの道を歩いて、足元を汚しながら来たエリザベスを軽蔑し、彼女の高慢なところを陰で嘲笑する。

ハースト氏
ルイザの夫。食べて寝てカルタをするために生きている。

キャロライン・ビングリー
ビングリーの妹。ジェーンのことを気に入る。都会で一流の教育を受け、エリザベスからは内面の高慢さを見破られている。兄の友人であるダーシーに惹かれている。姉のルイザと同様、エリザベスを軽蔑、嘲笑し、ダーシーがエリザベスに惹かれている様子を見せると嫉妬し、二人を遠ざけようと画策する。また、ジェーンの母親や幼い妹たちの礼儀に欠けた態度を見て、ビングリーとジェーンの結婚を阻止しようと考え、ロンドンに数日滞在するだけの予定であったビングリーのもとを訪ね、滞在を続けるように仕向ける。
ダーシーとエリザベスの結婚を大変口惜しがるが、ペムバリーを訪れる権利を保留するために、その遺恨を捨てる。

フィッツウィリアム・ダーシー
容姿がよく、ダービシアにあるペムバリーの地所を抱える裕福な青年。ビングリーと固い絆で結ばれ、共にネザーフィールドへやってくる。他人と簡単に打ち解けられない性格のため、高慢で不愛想だと思われ、舞踏会での人気を落とす。
始めはエリザベスのことをあまり美しいとは思っていなかったが、彼女の才気に次第に惹かれるようになる。しかし当のエリザベスには、自分のことを皮肉を含んだ目で見ていると思われ、一緒に踊るのを拒否される。キャロラインからは好意を寄せられるがそっけない態度をとっていた。
ウィカムの父親が自分の家族の財産管理を行っていたため、幼いころはウィカムと仲が良かった。父親が死ぬと、ウィカムが直接稼げる法律の勉強をしたいと言い、自分のものになるはずだった牧師の座を放棄したので、代わりに金銭を譲渡する。しかしウィカムが法律の勉強を怠り、更には牧師の座に就きたいと再び言い出したので、それを退ける。これがもとで悪い噂を流されてしまう。
叔母のキャサリン・ダ・バーグ邸を訪れていた時に、近所に住むウィリアム・コリンズ邸を訪れていたエリザベスに愛の告白をする。しかし、エリザベスはウィカムから流された噂を信じていたため、求婚を断られ、さらにはウィカムの財産を奪い取ったという身に覚えのないことまで非難されてしまう。その後エリザベスに手紙で真実を伝えて誤解を解き、その辛い経験を教訓にして、高慢な態度を改めるように努力する。
ペムバリーを訪れたエリザベスに思いがけない再会を果たすと、慇懃にもてなし、妹のジョージアナーを紹介する。さらにリディアがウィカムとともに出奔したことを聞かされると、心から同情し、自らロンドンに出向いて二人の行方を探し出す。そしてウィカムが作った借金を肩代わりし、将校の役を手に入れて、リディアの持参金を水増しすることで二人を結婚させる。
再びビングリーとともにネザーフィールドを訪れると、始めは不愛想な態度をとり、自分に惹かれるようになっていたエリザベスの怒りを買うが、リディアの結婚を取りまとめてくれたことへの礼を言われると、以前告白した時と気持ちは変わっていないことを伝え、婚約を受け入れられる。
結婚後は自分の地所であるペムバリーに居を構える。

ジョージアナー・ダーシー
ダーシーの妹。ロンドンに住んでいた。ウィカムに誘惑され、駆け落ちする直前になってダーシーによって阻止された過去をもつ。十六歳ほどだが、エリザベスより背が高く、内気ではあるが、ものわかりがよく気取りがないおだやかな娘。ダーシーのことを心から慕っている。
兄が結婚するとペムバリーに住み、エリザベスと大変仲睦まじく生活する。

フィッツウィリアム大佐
ダーシーの従兄。三十歳ほどの、美男子ではないが、紳士らしい紳士。キャサリン・ダ・バーグの邸にダーシーと共に訪れ、コリンズ邸に滞在していたエリザベスと親しくする。
ジェーンとビングリーの結婚をダーシーが阻止したことを、エリザベスに話す。

レノルズ夫人
ペムバリーの家政婦。ダーシーのことを非常に高く評価している。

ウィリアム・コリンズ
ベネット氏の従弟。謙遜な態度ではあるが、お世辞を振りまき、なんでもないことを大仰に話す。キャサリン・ダ・バーグ令夫人が後見人になったことにより、教区の牧師になることが決まっている。自分の父とベネット氏が不仲であったにも関わらず、限定相続によりベネット家の土地を引き継ぐことになっており、そのことを心苦しく思っている。その罪滅ぼしの為、ベネット家の娘の内の一人を娶ろうと考え、エリザベスに目をつける。
エリザベスに求婚するも断られると、自分の話を親切に聞いてくれるルーカス・シャーロットに目をつけ、エリザベスに結婚の申し込みをした三日後にシャーロットと婚約する。
その後シャーロットとともに、ハンスフォードの牧師館に帰り、近所のローズィングズにあるキャサリン・ダ・バーグ令夫人のもとを毎日のように訪れる。
その後、エリザベスとダーシーの婚約の噂が流れると、自分の娘とダーシーを結婚させたがっているキャサリン・ダ・バーグにそのことを伝え、さらにエリザベスにその軽率な結婚をやめるように忠告を与える。

フィリップス氏
メリトンに住む五人の姉妹の叔父。もともと弁護士であったベネット夫人の父の書記で、今はベネット夫人の父の後を継いでいる。キッティとリディアの訪問をよく受けていた。

フィリップス夫人
メリトンに住む五人の姉妹の叔母(ベネット夫人の妹)。ウィカムがメリトンを訪れると、自宅に招待し、五人の娘と引き合わせる。下品なことをよく言う。

ガードナー氏
ベネット夫人の弟。商売を営み、教養のある紳士。クリスマスの時期にいつもベネット家にやってくる。
エリザベスとともにダービシアの旅にでかけ、ペムバリーにある地所でダーシーと知り合い、釣りに出かける。
リディアとウィカムが出奔したという報せを受けると、旅を切り上げて二人の行方を捜しにロンドンへ向かう。ダーシーによって二人の行方がわかると、その結婚を取りまとめる。
エリザベスとダーシーが結婚すると、二人からの深い感謝を受け、大変親しく交流する。

ガードナー夫人
ガードナー氏の妻。ジェーンやエリザベスと仲が良い。クリスマスを過ごすために夫とともにベネット家を訪れると、ジェーンに自分たちのいるロンドンでの滞在を勧め、共に住み始める。
その後エリザベスを誘ってダービシアの旅にでかけ、ペムバリーで出会ったダーシーに好意を持つ。リディアとウィカムが出奔すると、旅を切り上げて、ロングボーンに滞在し、その後ロンドンに戻る。リディアとウィカムを結婚させることに成功すると、それがダーシーに尽力によって為されたものだということを、エリザベスに手紙で伝える。
エリザベスとダーシーが結婚すると、二人からの深い感謝を受け、大変親しく交流する。

ウィリアム・ルーカス卿
以前メリトンで商売をして財産を作り、市長の職を務めて子爵になり、家族を連れてロングボーンの近所に住み始め、ベネット家と親しく付き合う。

ルーカス夫人
ウィリアム・ルーカス卿の妻。利口ではないが善良。

シャーロット・ルーカス
ルーカス家の長女。不器量な二十七歳。エリザベスと親しい。ベネット家の親戚にあたるコリンズがエリザベスへの求婚に失敗すると、コリンズに誘いをかけ、婚約することに成功する。もともと夫婦生活がどのようなものになるかではなく、結婚すること自体に重きを置いていた。
結婚後、ハンスフォードの牧師館に住み、キャサリン・ダ・バーグの家にコリンズとともに通い、エリザベスの訪問を喜んで受け入れる。
エリザベスとダーシーの結婚に喜び、その結婚に反対していたキャサリン・ダ・バーグの怒りが静まるまで、ルーカス家に帰ってくる。

マリア・ルーカス
ルーカス家の次女。快活であるが、頭はよくない。エリザベスとともに、シャーロットとルーカスの新居を訪れる。

ウィカム
軍団の将校としてメリトンにやって来た美しい顔立ちの青年。父親がダーシーの家の財産管理を行っていたため、ダーシーの父によって教区の教会財産を譲り受け、牧師になる予定であった。しかし、父親の死後、直接的に金銭的な利益になる法律の勉強をしたいとダーシーに申し出る。ダーシーから金銭を受け取り、牧師になることを放棄するが、法律の勉強をせずに怠惰に浪費して過ごし、教会の在職者が死ぬと、再び牧師になりたいとダーシーに推薦を依頼する。これを断られると、ダーシーの悪い噂をまき散らし、更にはダーシーの妹を誘惑し、駆け落ちの一歩手前で阻止される。
エリザベスにもダーシーの悪い噂を話し、一時期惹かれ合うが、お互いに本気で愛し合っているわけではなかった。そのうちに財産のある女のことを崇拝し、その女がリヴァプールに移ると、新しい駐屯地であるブライトンに移る。新しい駐屯地では、賭博によって借金が払えなくなり、連隊を去る必要に迫られ、同じくブライトンに滞在したリディアと出奔する。ダーシーの妹の家庭教師であったヤング夫人を頼って、リディアと結婚するつもりもないままロンドンで生活を始める。しかし、ダーシーによって見つけ出されると、自分の作った借金の肩代わりと将校の役と引き換えにリディアと結婚し、北方に屯営中の常備隊に入ることとなる。

デニー氏
ロンドンからメリトンにやってきて滞在している士官。ウィカムの友人。

フォースター大佐
メリトンに駐屯してきた大佐。駐屯中に結婚。連隊の駐屯地がブライトンに移ると、自宅にリディアを預かるが、これがリディアとウィカムが出奔する原因となる。

フォースター夫人
夫の駐屯地であるメリトンで懇意になったリディアを、次の駐屯地であるブライトン行きに誘う。

キャサリン・ダ・バーグ
ローズウィングスに住む令夫人。ダーシーの叔母。背の高い大柄の婦人。以前は美しかったであろう目鼻立ちをしている。自尊心が高く威厳をひけらかす態度をとる。コリンズの後見人となり、教区の牧師にしたため、深く感謝されている。自分の娘であるアン・ダ・バーグをダーシーと結婚させたがっている。
ハンスフォードにあるコリンズ邸を訪れたエリザベスの訪問を喜んで受けるが、その高慢で押しつけがましいな態度のため、エリザベスからは悪い印象を持たれる。
ダーシーとエリザベスの婚約の噂をコリンズから聞きつけると、ロングボーンを訪れ、自分の娘とダーシーを結婚させることを宣言し、ダーシーの評判を落とさないためにその結婚を踏みとどまるよう、エリザベスに忠告する。しかし、ダーシーからの好意があれば、それを受け入れるとエリザベスが宣言したために喧嘩となり、コリンズにも結婚をやめさせるように手紙を書かせる。
ダーシーの結婚にひどく腹を立て、両家の交渉はしばらく途絶えたが、そのうちに和解を求められ、しぶしぶそれを受け入れ、恨みを捨ててペムバリーを訪れるようになる。

アン・ダ・バーグ
キャサリン・ダ・バーグの娘。病身で小柄なダーシーの従妹。母からはダーシーとの結婚を望まれている。

ジェンキンス夫人
キャサリン・ダ・バーグと一緒に暮らしている夫人。