ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』の詳しい登場人物、キャラクター紹介

ルイス・キャロル作『鏡の国のアリス』の登場人物、キャラクターを詳しく紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。

※簡単な登場人物、キャラクター紹介、あらすじ、感想はこちら(『鏡の国のアリス』トップページ)

※『鏡の国のアリス』の章ごとの詳しいあらすじはこちら

アリス
七歳半の少女。飼い猫のキティたちと遊んでいる間に鏡の中の世界に入り込み、チェス盤のように区切られたその世界をポーン(歩兵)の駒として歩き始める。白の王さまと女王さま、赤の王さまと女王さまといったチェス駒のキャラクターや、ハンプティ・ダンプティやトゥイートルダムとトゥイートルディー、ライオンとユニコーンといったマザー・グースのキャラクターと出会いながら鏡の中の世界を冒険し、女王になることを目指す。白の騎士に導かれて小川を越え、最後のマス目に辿りついて女王となる。
知らない間に開催されることになっていた自分のティー・パーティーに参加し、スピーチを始めようとしたところで部屋中のものが変形し、あたりを飛び始めたので、この騒ぎの原因と思われた赤の女王を掴んで揺さぶる。
目を覚まし、揺さぶっていたものが飼い猫のキティであったことに気づき、今まで見ていたものが自分の夢であったのか、赤の女王さまのものであったのか分からなくなり、猫たちにあれこれと質問をする。

ダイナ
アリスの飼い猫。

スノードロップ
ダイナの子猫のうちの白い方。

キティ
ダイナの子猫のうちの黒い方。冒頭で毛糸玉をほどいたり、ごっこ遊びに耳を貸そうとしなかったことでアリスに叱られ、これがきっかけとなってアリスが鏡の中の世界に入り込むこととなる。
結末では、夢から目覚めかけたアリスに赤の女王だと思われ、体を掴まれて揺すぶられる。アリスが目を覚ますと、それまで見ていたのが自分の夢だったのか、赤の女王の夢だったのかと聞かれるが、その質問には耳を貸さず、前足を舐め続ける。

赤の女王さま
鏡の中に飛び込んだばかりのアリスの前に、動くチェスの駒として登場。
その後大きくなった姿で、庭園で道に迷うアリスを、チェス盤のように区切られた世界を見渡すことのできる丘の上に連れて行き、この世界で女王になる方法を教える。
アリスが女王になると、白の女王とともにその両隣を囲み、その夜開かれるアリスのティー・パーティーにお互いを招待する。その後、いくつもの答えることのできない質問をアリスにぶつけているうちに眠りこけ、いびきが歌になったのをアリスが聴いているうちにいつの間にか姿を消す。
その後アリスのティー・パーティーに参加し、女王となったアリスの健康を祝して乾杯の音頭を取る。そのパーティーが混乱に陥ると、この騒ぎの張本人だと思われてアリスの怒りを買い、揺さぶられる。アリスが夢から目覚めると、その揺さぶっていた相手がキティだったことが分かる。

赤の王さま
鏡の中に飛び込んだばかりのアリスの前に、動くチェスの駒として登場。
大きないびきをかいていて寝ているところを、トゥイートルダムとトゥイートルディーに連れられてやってきたアリスに目撃される。

白の女王さま
鏡の中に入ったアリスの前に、動くチェスの駒として登場する。テーブルの上で倒れた世継ぎの歩兵(リリー)を助けようとしているところで、姿の見えないアリスにより、テーブルの上に運ばれ、火山の噴火に吹き上げられたのだと思い込む。
トゥイートルダムとトゥイートルディーが去った後のアリスの前に再び現れ、未来のことを記憶していると主張し、実際にショールを止め直すときに自分の指にピンを刺すことを的中させる。やがてアリスと会話しているうちにヒツジに姿を変える。
女王になったアリスの隣に、赤の女王とともに現れ、その夜開かれるアリスのティー・パーティーにお互いを招待する。その後、いくつもの答えることのできない質問をアリスにぶつけているうちに眠りこけ、いびきが歌になったのをアリスが聴いているうちにいつの間にか姿を消す。
アリスのティー・パーティーに再び姿を現し、魚の詩を暗誦する。

白の王さま
鏡の中に入ったアリスの前に、動くチェスの駒として登場する。姿の見えないアリスにより、テーブルの上に運ばれて気絶し、この出来事を忘れないようにメモを残す。
森から原っぱへと出たアリスと出会い、ライオンとユニコーンが自分の王冠を取り合って喧嘩をしているという報告を使者のヘイヤから聞き、その様子を見に行く。

庭園の花々
鏡の国の庭に咲く花々。地面が固いために眠くならず、喋ることができる。やってきたアリスを自分たちと同じ花だと思い、その姿を品評する。


ひよこほどの巨大な蚊。汽車に乗り込んだアリスにか細い声で話しかけ、この世界にいる昆虫の名前を教える。

トゥイートルダムトゥイートルディー
アリスが森の中で出会ったチビで太った兄弟。アリスが森から抜け出る方法を聞くと、セイウチと大工が牡蠣の子供を誘惑して食べてしまう詩を謳う。その後大きないびきをかいている赤の王さまのところへアリスを連れて行き、彼女の存在は赤の王さまの夢の産物に過ぎないと言って恐れさせる。やがて白いおもちゃのガラガラを取り合ってお互いと決闘しようとするが、大きな烏を目撃し、二人で逃げていく。

ヒツジ
白の女王さまから姿を変えた、年老いたヒツジ。薄暗い店のカウンターに座り、編み物をしている姿でアリスの前に現れる。いつの間にかアリスとともに小舟に乗り、アリスがその小舟から身を乗り出して花を積んでいる間に、再びいつのまにか店内に戻る。アリスが欲しいと言ったタマゴを店内に置き、そのタマゴがハンプティ・ダンプティになる。

ハンプティ・ダンプティ
ヒツジが店内に置いたタマゴが変化した姿。高い塀の上に足を組んで座り、アリスを心配させるが、自分が落ちそうになったら王さまが馬や兵隊総がかりで来てくれることになっていると信じている。気まぐれな言葉の主導権を握り、自分が言いたい言葉を話すのではなく、言葉の方が自分の言いたかったことに合わせてくると主張する。
アリスにジャバウォッキの詩の意味を聞かれ、それがさまざまなカバン語から成り立っていると解釈する。その後、アリスのために詩を暗唱し、唐突にさよならを告げる。

ハッタ
『不思議の国のアリス』では帽子屋として登場。鏡の中の世界では白の王さまの使者。王冠をめぐり、街中でライオンとユニコーンが戦っていることを白の王さまに報告する。

ヘイヤ
『不思議の国のアリス』では三月ウサギとして登場。鏡の中の世界では白の王さまの使者。ライオンとユニコーンの戦いを見物し、その戦況をハッタに報告する。

ライオン
白の王さまの王冠を取り合って、ユニコーンと喧嘩をしている。休憩中に出されたプラムケーキを切り分けることに難儀するアリスに対し、まずは配ってから切り分けるのだという忠告を与える。

ユニコーン
白の王さまの王冠を取り合って、ライオンと喧嘩をしている。子供を伝説上の怪物だと思っており、アリスを紹介されると驚く。王さまによって休憩が宣言されると、プラムケーキを出して欲しいとたのむ。

白の騎士
アリスを虜にしようとした赤の騎士と一騎討ちをしながら登場する。乗馬が下手で、何度も落馬している。女王になりたいというアリスの願いを聞き、森のはずれまで彼女を送り届ける。その道中、蜜蜂を取るために上下逆さまに取り付けた箱や、頭から落馬してもあまり落ちなくて済む背の高い帽子などの発明品をアリスに紹介し、また、穏やかな笑みを浮かべながらアリスに歌を聴かせる。

カエル
年取ったしゃがれ声のカエル。自分のティー・パーティーに参加するアリスにドアの取り次ぎ番がどこにいるかと聞かれ、「ほっといてやれば、こいつもあんたをほっといてくれる」と答える。