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感想

太宰治『ヴィヨンの妻』ってどんな作品?登場人物、あらすじを詳しく解説します!

 『ヴィヨンの妻』は1947に発表された太宰治の短編小説です。題名に含まれる「ヴィヨン」とは、十五世紀のフランスの詩人フランソワ・ヴィヨンのことを指します。フランソワ・ヴィヨンはパリで放蕩を繰り返し、乱闘騒ぎで司祭を殺し、強盗事件を起こして逮捕された人物です。彼は死刑判決を受けましたが、恩赦によってパリ追放の刑に減刑され、その後消息を断ちました。  この小説の主人公は、放蕩を繰り返す夫と、語り手で […]

ギ・ド・モーパッサン『女の一生』の登場人物、あらすじ、感想

 一八八三年に発表したされた、ギ・ド・モーパッサンの長編『女の一生』を紹介します。モーパッサン(一八五〇年〜一八九三年)は、ノルマンディーで生まれ、パリで活躍した自然主義の作家です。短編小説が有名ですが、6つの長編小説を残していて、日本では島崎藤村などが影響を受けたと言われています。今回紹介する『女の一生』は、ロシアの文豪レフ・トルストイが、「モーパッサンの著作の中で最高の小説というだけでなく、ユ […]

川端康成『雪国』ってどんな話?作品の内容を詳しく解説

言わずと知れた川端康成の代表作『雪国』を紹介します。この小説は、日本のみならず海外でも評価が高く、多くの翻訳がなされています。冒頭の一文 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった はあまりにも有名であり、読者を一気に「雪国」という夢幻の世界へと引きずり込みます。多少読みにくく、難解な部分も多いですが、繰り返し読むことで味わいが増してくる作品です。​ リンク ※ネタバレ内容を含みます。 『雪国』の登 […]

小林多喜二『蟹工船』ってどんな作品?

 小林多喜二の『蟹工船』は、一九二九年に発表された、日本におけるプロレタリア文学の代表作です。この作品により、小林多喜二は当時の特攻警察によりマークされ、不敬罪で起訴されます。その後、彼は数回に渡る逮捕にも屈さずに、日本の労働者階級のために作品を残し続けましたが、一九三三年の逮捕の際の拷問により死去しました。  戦時中は、発表が見送られたり、伏字だらけの文章で発表されることの多かった小林多喜二の作 […]