CATEGORY

日本文学

井伏鱒二『ジョン万次郎漂流記』の登場人物、あらすじ

 一九三七年発表の、井伏鱒二の中編小説『ジョン万次郎漂流記』を紹介します。ジョン万次郎は、土佐国で漁を手伝う仕事をしていましたが、遭難してアメリカ船に助けられ、太平洋中を旅して日本に戻り、その後通訳として活躍した歴史上の人物です。この作品は、「事実は小説よりも奇なり」を地でいったジョン万次郎の人生が、とても読みやすい文章で書かれています。ちなみに、現在よく知られている「ジョン万次郎」という名前は、 […]

小林多喜二『蟹工船』の詳しいネタバレあらすじ

小林多喜二作『蟹工船』の章ごとの詳しいあらすじを紹介するページです。 リンク ※ネタバレ内容を含みます。 ※もっと簡単なあらすじはこちら(『蟹工船』トップページ) 一  蟹工船博光丸は函館の港で出発を待っていました。ここには船に乗ることでしか生計を建てられない人々が多く乗り込んでいました。  函館、秋田、南部の貧民窟から来た十四、五の少年たちが、その母親に見送られていました。  漁夫たちは、白首( […]

小林多喜二『蟹工船』ってどんな作品?

 小林多喜二の『蟹工船』は、一九二九年に発表された、日本におけるプロレタリア文学の代表作です。この作品により、小林多喜二は当時の特攻警察によりマークされ、不敬罪で起訴されます。その後、彼は数回に渡る逮捕にも屈さずに、日本の労働者階級のために作品を残し続けましたが、一九三三年の逮捕の際の拷問により死去しました。  戦時中は、発表が見送られたり、伏字だらけの文章で発表されることの多かった小林多喜二の作 […]

太宰治『人間失格』ってどんな作品?登場人物、あらすじを詳しく解説

 『人間失格』は、一九四八年に太宰治が自ら命を絶つ一ヶ月前に脱稿され、死後出版された小説です。「恥の多い生涯を送って来ました。」という一文はあまりにも有名で、今なお多くの読者を引きつけています。  この小説は、「はしがき」「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」「あとがき」から成っています。  「はしがき」では、ある男の写真を見た時の印象が、語り手である「私」によって書かれます。この時点では、こ […]