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日本文学

織田作之助『夫婦善哉』の詳しいあらすじ

リンク ※もっと簡単なあらすじ、登場人物紹介、感想はこちら(『夫婦善哉』トップ) 『夫婦善哉』の登場人物 ※ネタバレ内容を含みます。 維康柳吉安化粧品問屋の息子。妻子を持っていたが、芸者の蝶子と関係を持ち、駆け落ちする。 蝶子十七歳で芸者になり、柳吉と駆け落ちする。 種吉蝶子の父。大阪にある路地の入口で天麩羅屋を営む。 お辰種吉の妻 おきんヤトナ(臨時雇いの芸者)を斡旋している年増の芸者。 柳吉の […]

三島由紀夫『憂国』のあらすじ、感想

 『憂国』は一九六一年に発表された三島由紀夫の短編小説です。四十ページ足らず(新潮文庫版)の作品ながら、『仮面の告白』、『潮騒』、『金閣寺』などの錚々たる顔ぶれの小説と並び、三島由紀夫の代表作と言えるものです。この作品を有名にしているのは、なんといってもその官能表現と、苦痛の表現でしょう。これはもう非常に生々しく、読んでいて実際に痛みを感じる人も多いのではないでしょうか。三島由紀夫にとっても、自身 […]

志賀直哉『清兵衛と瓢箪』ってどんな作品?登場人物やあらすじを紹介

 『清兵衛と瓢箪』は志賀直哉(一八八三年~一九七一年)の小品です。一九一三年発表と、志賀直哉の長いキャリアの中でも比較的初期の作品です。瓢箪に病的に凝っている十二歳の少年(清兵衛)を主人公に寓話のようなストーリーが展開され、最後の数行であっと驚く結末を迎えます。文庫版で十ページ に満たず、簡単に読めてしまうので、ちょっと片手間に志賀直哉の文章が読みたいときに(あまりないですかね。管理人はよくありま […]

島崎藤村『破戒』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『破戒』は一九〇六年、詩人として活躍していた島崎藤村が初めて自費出版した小説です。日本における自然主義を確立した作品のうちの一つであり、夏目漱石が絶賛しました。  この小説では、被差別階級出身の青年、瀬川丑松が自分の出生を周囲に告白するかどうかで苦悩する様子が描かれます。被差別階級とは、江戸時代に確立された身分制度「士農工商」のどれにも含まれない人々のことをさします。彼らはある地区にまとまって住 […]

織田作之助『夫婦善哉』の登場人物、あらすじ、感想

 『夫婦善哉』は、一九四〇年に発表された織田作之助の短編小説です。  織田作之助(一九一三年~一九四七年)は、太宰治や坂口安吾らと同じ無頼派に分類される作家です。水商売などを扱った作品が多いため、公序良俗に反するとして戦時中は発禁処分を受けることもあったそうですが、遊蕩的でありながらも、大阪人ならではの人情味に溢れる作品を多く残し、当時の流行作家となりました。  無頼派というと、酒や薬で私生活を毒 […]

川端康成『雪国』ってどんな話?作品の内容を詳しく解説

言わずと知れた川端康成の代表作『雪国』を紹介します。この小説は、日本のみならず海外でも評価が高く、多くの翻訳がなされています。冒頭の一文 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった はあまりにも有名であり、読者を一気に「雪国」という夢幻の世界へと引きずり込みます。多少読みにくく、難解な部分も多いですが、繰り返し読むことで味わいが増してくる作品です。​ リンク ※ネタバレ内容を含みます。 『雪国』の登 […]

山本周五郎『赤ひげ診療譚』ってどんな話?作品の内容を詳しく解説

 一九五八年に発表された『赤ひげ診療譚』を紹介します。現代においてもドラマやCMに度々登場する、「赤髭」こと新出去定がこの小説の主人公です。去定は江戸の貧民救済施設である小石川養生所の医長を勤める人物です。一見、乱暴者のように見えますが、常に貧しい人たちのことを考え、医術の知識は超一流、喧嘩をすれば六人のならずものを一気に打ちのめします。まさに「弱きをたすけ強きをくじく」といった彼の行動は、常に読 […]

山本周五郎『赤ひげ診療譚』の詳しいあらすじ、登場人物紹介

山本周五郎作『赤ひげ診療譚』の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※全体の簡単なあらすじ、登場人物紹介、感想はこちら(『赤髭診療譚』トップページ) 狂女の話 登場人物 おゆみ類稀なる美貌の持ち主で、幼い頃から手代に悪戯され、その後も男に脅され関係を持ったため、男女の営みを悪いことだと思い込む。男を誘惑して殺すようになったため、小石川養生所に隔離されている。 お杉奉 […]

谷崎潤一郎『痴人の愛』ってどんな話?作品の内容を詳しく解説

 1924年から1925年にかけて発表された谷崎潤一郎の長編、『痴人の愛』を紹介します。真面目なサラリーマンであった「私」(河合譲二)は、十五歳の女給だったナオミを引き取り、自分の理想の女に育てようとします。しかしナオミの淫蕩な本性が徐々に姿を現すにつれ、「私」はナオミの性的な魅力に支配されていきます。発表当時、このような奔放な女性(あるいはその生き方)をさす、「ナオミズム」という流行語が生みださ […]

谷崎潤一郎『痴人の愛』詳しいネタバレあらすじ

谷崎潤一郎作『痴人の愛』のあらすじを、章ごとに詳しく紹介するページです。 リンク ※簡単なあらすじ、登場人物紹介はこちら(『痴人の愛』トップページ) ※ネタバレ内容を含みます。 一  私は、八年前に浅草の雷門の近くのカフエエ・ダイヤモンドで給仕をしていたナオミに出会いました。その時彼女は十五歳で、私は二十八歳でした。「ナオミ」という西洋人のような名前の響きと、美しい顔立ちが私の気をひきました。   […]