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日本文学

志賀直哉『清兵衛と瓢箪』ってどんな作品?登場人物やあらすじを紹介

 『清兵衛と瓢箪』は志賀直哉(一八八三年~一九七一年)の小品です。一九一三年発表と、志賀直哉の長いキャリアの中でも比較的初期の作品です。瓢箪に病的に凝っている十二歳の少年(清兵衛)を主人公に寓話のようなストーリーが展開され、最後の数行であっと驚く結末を迎えます。文庫版で十ページ に満たず、簡単に読めてしまうので、ちょっと片手間に志賀直哉の文章が読みたいときに(あまりないですかね。管理人はよくありま […]

織田作之助『夫婦善哉』の登場人物、あらすじ、感想

 『夫婦善哉』は、一九四〇年に発表された織田作之助の短編小説です。  織田作之助(一九一三年~一九四七年)は、太宰治や坂口安吾らと同じ無頼派に分類される作家です。水商売などを扱った作品が多いため、公序良俗に反するとして戦時中は発禁処分を受けることもあったそうですが、遊蕩的でありながらも、大阪人ならではの人情味に溢れる作品を多く残し、当時の流行作家となりました。  無頼派というと、酒や薬で私生活を毒 […]

谷崎潤一郎『痴人の愛』ってどんな話?作品の内容を詳しく解説

 1924年から1925年にかけて発表された谷崎潤一郎の長編、『痴人の愛』を紹介します。真面目なサラリーマンであった「私」(河合譲二)は、十五歳の女給だったナオミを引き取り、自分の理想の女に育てようとします。しかしナオミの淫蕩な本性が徐々に姿を現すにつれ、「私」はナオミの性的な魅力に支配されていきます。発表当時、このような奔放な女性(あるいはその生き方)をさす、「ナオミズム」という流行語が生みださ […]

谷崎潤一郎『痴人の愛』詳しいネタバレあらすじ

谷崎潤一郎作『痴人の愛』のあらすじを、章ごとに詳しく紹介するページです。 リンク ※簡単なあらすじ、登場人物紹介はこちら(『痴人の愛』トップページ) ※ネタバレ内容を含みます。 一  私は、八年前に浅草の雷門の近くのカフエエ・ダイヤモンドで給仕をしていたナオミに出会いました。その時彼女は十五歳で、私は二十八歳でした。「ナオミ」という西洋人のような名前の響きと、美しい顔立ちが私の気をひきました。   […]

井伏鱒二『ジョン万次郎漂流記』の登場人物、あらすじ

 一九三七年発表の、井伏鱒二の中編小説『ジョン万次郎漂流記』を紹介します。ジョン万次郎は、土佐国で漁を手伝う仕事をしていましたが、遭難してアメリカ船に助けられ、太平洋中を旅して日本に戻り、その後通訳として活躍した歴史上の人物です。この作品は、「事実は小説よりも奇なり」を地でいったジョン万次郎の人生が、とても読みやすい文章で書かれています。ちなみに、現在よく知られている「ジョン万次郎」という名前は、 […]