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2021年

夏目漱石『坑夫』の詳しいあらすじ

夏目漱石作『坑夫』の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※簡単なあらすじ、登場人物紹介、管理人の感想はこちら(『坑夫』トップページ) 長蔵に声をかけられる  許嫁がいる身でありながら、ほかの娘と惹かれあってしまった「自分」は、自殺も駆け落ちもすることができないまま、許嫁や親に申し訳が立たなくなり、生家を飛び出しました。東京から夜通し北へ向かい、泊まる宿も金もなかっ […]

レフ・トルストイ『クロイツェル・ソナタ』の登場人物、あらすじ、感想

 『クロイツェル・ソナタ』は、1891年に出版されたレフ・トルストイの小説です。 題名にも使われている『クロイツェル・ソナタ』は、1803年に作曲されたベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第九番のことを指しており、この作品中で重要な役割を果たしています。 この作品は、出版の前年には既に出来上がっていたものの、ロシアの検閲から発表を許されなかったため、ソフィア夫人が自らペテルブルクの皇帝アレクサンドル […]

森鴎外『雁』の詳しいあらすじ

森鴎外作『雁』の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※もっと簡単なあらすじ、登場人物紹介、感想はこちら(『雁』トップページ) 岡田とお玉の出会い  明治十三年、東京大学の学生であった「僕」は、鉄門の真向かいにあった上条という下宿屋に住んでいました。「僕」の部屋の隣の下宿人は、一学年下の岡田という男でした。 岡田は体格のよい美男で、競漕(ボートレース)の選手でした。 […]

レフ・トルストイ『悪魔』の詳しいあらすじ

トルストイ作『悪魔』(ロシア語:Дьявол)の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※簡単なあらすじはこちら(『悪魔』トップページ) 領地の経営を始めるエヴゲーニイ  エヴゲーニイ・イルチェーニェフは立派な家庭に生まれ、ペテルブルク大学法学部を優秀な成績で卒業し、大臣の口利きである省に勤め始めていました。近頃死んだ父親は、近衛騎兵隊に勤務する兄とエヴゲーニイに六千 […]

谷崎潤一郎『卍』の登場人物、あらすじ、感想

 『卍』は、1928年から1930年にかけて連載された谷崎潤一郎の長篇小説です。常に他者からの崇拝を求め続ける令嬢・徳光光子を中心に、その光子に翻弄される三人の男女の、「卍」型の人間模様が描かれた作品です。 大阪、神戸を中心とする関西を舞台に、光子に愛情を捧げる既婚女性・柿内園子によって語られる一人称形式の小説です。己れの欲望を成就させるため、時に騙し合い、時に共謀しながら複雑に絡み合う四者の関係 […]

レフ・トルストイ『クロイツェル・ソナタ』の詳しいあらすじ

レフ・トルストイ作『クロイツェル・ソナタ』の詳しいあらすじを紹介するページです。 リンク ※ネタバレ内容を含みます。 ※もっと簡単なあらすじはこちら(『クロイツェル・ソナタ』トップページ) ポズドヌイシェフとの出会い  早春、「私」は、二昼夜にわたり汽車の旅を続けていました。「私」の他には、不器量なタバコ好きの中年の婦人、その知り合いで、四十歳くらいの話し好きな弁護士、そして一人で離れて座っている […]

谷崎重一郎『卍』の詳しいあらすじ

谷崎潤一郎作『卍』の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※もっと簡単なあらすじ、登場人物紹介、感想はこちら(『卍』トップページ) 園子と光子の出会い  未亡人の柿内園子は、自分が関わった新聞沙汰にもなったある事件について、「先生」と呼ばれる人物に語り始めます。  以前、夫の他に恋人を持っていた園子は、その恋人について「先生」に相談し、非常な心配をかけていました。 […]

フョードル・ドストエフスキー『賭博者』の登場人物、あらすじ、感想

 『賭博者』は、一八六六年に発表されたフョードル・ドストエフスキーの長編小説です。 二十五歳の頃、作家として華々しいデビューを飾ったドストエフスキーですが、その後の作家生活は順風満帆ではなく、プライベートも波瀾に満ちたものでした。彼は社会主義サークルの会員であったかどで五年にわたり服役し、一八五九年にペテルブルクに復帰すると、自分の講義に顔を出した二十一歳のポリーナ・スースロワと不倫関係に陥ります […]

スタンダール『赤と黒』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『赤と黒』は一八三〇年に出版されたスタンダール(一七八三年〜一八四二年)の代表作です。フランス東部の架空の町ヴェリエールを舞台に、製材所の息子からの立身出世を狙う主人公ジュリヤン・ソレルの、町長の妻レーナル夫人と名門の令嬢マチルドという二人の女性との恋愛劇を通して、復古王政と呼ばれる時代のフランスの世相を描いた作品です。 復古王政とは、第六次対仏大同盟による数々の戦闘でナポレオンが退位に追い込ま […]

森鴎外『寒山拾得』の登場人物、詳しいあらすじ、感想

 『寒山拾得』(かんざんじっとく)は、一九一六年に発表された森鴎外の短編小説です。 寒山と拾得は、七、八世紀ごろに、中国浙江省東部に位置する霊山・天台山の国清寺に出入りしていたと言われる二人の僧です。彼らはいつもみすぼらしい格好で、奇声を発しながら寺の廊下を歩くといった奇行の持ち主であった一方で、仏教の教理に深く根ざした詩を、山林の石、竹、民家の壁などに書き連ねていました。 伝説では、寒山が文殊菩 […]