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無頼派

坂口安吾『夜長姫と耳男』の登場人物、あらすじ、感想

 『夜長姫と耳男』は、1952年に発表された坂口安吾の短編小説です。 飛騨山脈の名峰乗鞍岳の麓の里を舞台とし、美しく純粋でありながらも残酷な夜長姫と、その夜長姫を守る御神仏を彫るために集められた彫工・耳男の物語です。坂口安吾の芸術観がよく表現されている作品で、『白痴』、『桜の森の満開の下』などと並ぶ代表作の一つとなっています。 このページでは『夜長姫と耳男』の登場人物、あらすじ、感想を紹介します。 […]

坂口安吾『青鬼の褌を洗う女』の登場人物、あらすじ、感想

 『青鬼の褌を洗う女』は、1947年に発表された坂口安吾の短編(中編)小説です。 妾として生きることを望まれて育ち、さまざまな男を渡り歩く女を描き、坂口安吾の作品の中でも傑作と称されています。 このページでは、『青鬼の褌を洗う女』の登場人物、あらすじ、感想を紹介します。 リンク 『青鬼の褌を洗う女』の登場人物 サチ子語り手。妾の子として生まれる。自分のことを溺愛しながら、妾になるように勧める母親を […]

坂口安吾『青鬼の褌を洗う女』の詳しいあらすじ

坂口安吾作『青鬼の褌を洗う女』の詳しいあらすじを紹介するページです。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※もっと簡単なあらすじ、登場人物紹介、感想はこちら(『青鬼の褌を洗う女』トップページ) 妾となることを望まれて育ったサチ子  三月十日の東京大空襲で、上野公園に逃げて助かったサチ子は、その二日後に人がたくさん死んでいる隅田公園に行き、母親の死骸を見つけました。その死骸は全然焼けておらず、生きていた […]

太宰治『グッド・バイ』の登場人物、あらすじ、感想

 『グッド・バイ』は、1948年に発表された太宰治の小説です。 朝日新聞社から連載小説の依頼を受けた太宰治が、不朽の名作『人間失格』を書き終えた後の、1948年の5月から書き始められた作品です。十三話から成り、そのうちの第一回から第十回までの原稿を朝日新聞社に渡した後、太宰治は愛人の山崎豊栄と玉川上水に入水し、自殺を遂げました。その後第十一回から第十三回までの原稿が残されているのが発見され、未完の […]

坂口安吾『桜の森の満開の下』の登場人物、あらすじ、感想

 『桜の森の満開の下』は、1947年に発表された坂口安吾の代表作です。 「桜の森は恐ろしい」と思われていた大昔の鈴鹿峠に住んでいた一人の山賊と、その山賊にさらわれてきた美しくも残酷な女との物語が描かれた作品です。 評価が非常に高く、人気もあり、しばしば日本の短編小説の最高傑作にも数え上げられる作品の一つで、これまでに映画化、舞台化、漫画家など、数多くの派生作品を生み出しています。 このページでは『 […]

坂口安吾『白痴』の登場人物、あらすじ、感想

 『白痴』は1946年に発表された坂口安吾の短編小説です。 坂口安吾は、太宰治、織田作之助らとともに、「無頼派」または「新戯作派」と呼ばれた作家の一人です。「無頼派」、「新戯作派」とは、人々の意識が急激に変化した戦後の社会の中で、それまでの既存の文学に対して、新しい文学を志した一派のことを指します。 戦前、それほど名前を知られていなかった坂口安吾は、前作である『堕落論』と、この『白痴』で脚光を浴び […]

太宰治『冬の花火』の登場人物、あらすじ、感想

 『冬の花火』は、1946年に発表された太宰治の戯曲です。太宰治がデビュー後に残した二つの戯曲のうちのひとつ(もうひとつは『春の枯葉』)で、津軽地方のある部落にある地主の家を舞台に、敗戦後の日本で、新しい理想郷を夢見て傷ついていく人々が描かれます。 作品全体に漂う侘しい雰囲気や、やるせない思いを抱えて煩悶する登場人物など、太宰治らしさを失わないまま、戯曲ならではのドラマチックな展開を楽しめる作品と […]

太宰治『メリイクリスマス』の登場人物、あらすじ、感想

 『メリイクリスマス』は、1947年に発表された太宰治の短編です。 戦後まもなくの十二月の東京を舞台に、津軽の生家から戻った語り手が、以前親交のあった二十歳になる娘にばったりと出会い、空襲で息を引き取ったその娘の母親の死を悼む物語です。 知名度はそれほど高くありませんが、やるせないストーリーの中にも、人間らしい可笑しみを感じさせてくれる好短編となっています。 このページでは、『メリイクリスマス』の […]

坂口安吾『続戦争と一人の女』の登場人物、あらすじ、感想

 『続戦争と一人の女』は1946年11月に雑誌「サロン」に発表された坂口安吾の短編小説です。 同年10月に発表された、『戦争と一人の女』の姉妹編とも言うべき作品で、三人称作品であった前作と同時期の話が、主人公の女の視点から語られる一人称小説となっています。ちなみに、坂口安吾による女性の一人称作品は、この『続戦争と一人の女』を含めて三作品のみとなっており、無頼派と呼ばれる同時代の作家の中で、数多くの […]

坂口安吾『戦争と一人の女』の登場人物、あらすじ、感想

 『戦争と一人の女』は、1946年10月に、雑誌「新生」に発表された坂口安吾の短編小説です。 同年11月に、坂口安吾は、『続戦争と一人と女』という姉妹編を、雑誌「サロン」に発表しており、こちらの『続‥』の方は、作品集「いづこへ」に収録される際、『戦争と一人の女』と改題されました。そのため、同じ題名の作品が二つ存在することとなり、例えば新潮文庫では「サロン」収録版が、岩波文庫では「新生」収録版が『戦 […]