芥川龍之介『鼻』ってどんな作品?登場人物、あらすじ、感想を紹介
1916年発表の『鼻』は、平安時代の説話集「今昔物語集」と、鎌倉時代の説話集「宇治拾遺物語」を題材とした短編小説で、芥川龍之介にとっては『羅生門』に次ぐ二作目にあたる作品です。顎の下まで垂れ下がる五、六寸の鼻の長さを気に病み、さまざまな方法で鼻を短く見せようと画策する高僧・禅智内供が、この物語の主人公です。彼は、とある方法で鼻を短くすることに成功し、自尊心を回復しますが、以前にもまして、周囲 […]
1916年発表の『鼻』は、平安時代の説話集「今昔物語集」と、鎌倉時代の説話集「宇治拾遺物語」を題材とした短編小説で、芥川龍之介にとっては『羅生門』に次ぐ二作目にあたる作品です。顎の下まで垂れ下がる五、六寸の鼻の長さを気に病み、さまざまな方法で鼻を短く見せようと画策する高僧・禅智内供が、この物語の主人公です。彼は、とある方法で鼻を短くすることに成功し、自尊心を回復しますが、以前にもまして、周囲 […]
『坊っちゃん』は、一九〇六年、夏目漱石が三十九歳の時に発表されました。神経衰弱にかかった漱石が、一八九五年に養生を兼ねて松山の愛媛県尋常中学校に赴任していた時の体験に基づいて書かれた作品です。 この物語の主人公は、「親譲りの無鉄砲」な性格の持ち主で、友達に囃されて二階から飛び降りて腰を抜かしたり、何でも切れると請け合ったナイフで右の手の甲を切ったりと、幼いころから問題ばかり起こしています。両親 […]
『羅生門』は、一九一五年、芥川龍之介が東京帝国大学在学中の二十三歳の時に発表されました。初めて芥川龍之介のペンネームを用いて出版された作品です。発表当時は注目されることがなかったものの、次作『鼻』が夏目漱石に絶賛され、芥川龍之介が一躍文壇の寵児となってからは、代表作として現在まで親しまれています。 この作品は、平安時代の伝承を集めて作られた『今昔物語』を題材としています。舞台となっている平安京 […]
小林多喜二『党生活者』は一九三二年には書き上げられていたようですが、時勢により、編集部は発表を保留していました。一九三三年に小林多喜二が拷問によって死去すると、同じプロレタリア文学の作家たちの協力を得て、伏字だらけの文章で、『転換時代』と題名を変えて発表されます。 一九四六年に、本来の題名である『党生活者』として、ようやく全文が発表されることとなり、その後は小林多喜二の代表作としてひろく読まれ […]
芥川龍之介の晩年の代表作『河童』の登場人物、あらすじを紹介するページです。作品の概要や解説、管理人の感想も。ネタバレ内容を含みます。 リンク ※芥川龍之介のオススメ作品はこちら 『河童』の登場人物、キャラクター 僕(この物語の書き手)精神病院院長S博士とともに、第二十三号の話を聞く。 S博士精神病院の院長。第二十三号を診る。 僕(精神病院の第二十三号)ある精神病院の患者。河童の国に行ってきたという […]
一九四七年発表の太宰治の短編『おさん』の紹介です。『おさん』とは一七二〇年に初演された近松門左衛門作の人形浄瑠璃の戯曲『心中天網島』の登場人物です。大阪天満宮に住むおさんは、紙屋を営む治兵衛の貞淑な妻でした。しかし治兵衛は遊女の小春と深い仲になります。悲嘆にくれたおさんは、自分の心の中は、鬼や蛇のようになってしまいますよ。という意味で、次のように唄います。 女房のふところには鬼が棲むかあああ蛇が […]
『デイヴィッド・コパフィールド』(David Copperfield)は、一八五〇年に発表されたチャールズ・ディケンズ(一八一二年~一八七〇年)最大の長編小説です。 イギリスのポーツマス出身の作家ディケンズは、金銭感覚に乏しい両親の子供として生まれたため若い頃から工場で働かざるを得ず、正式な教育を受けることができませんでした。それにも関わらず、彼は『クリスマス・カロル』、『二都物語』、『オリヴァ […]
チャールズ・ディケンズ作『デイヴィッド・コパフィールド』の詳しいあらすじを紹介するページです。 この長大な小説は、さまざまな登場人物が入り組んでいるため、便宜上、それぞれを分けてあらすじを紹介していきます。 ①デイヴィッドの幼少期 ②ペゴティーの家族とスティアフォースの事件 ③ドーラとデイヴィッドの恋愛 ④ミスター・ウィックフィールド、アグネス、ユライア・ヒープの物語 ⑤結末 リンク ※簡単なあら […]
アントン・チェーホフ作『ワーニャ伯父さん』は、1897年に発表され、1899年にモスクワ芸術座で初演されました。『桜の園』、『かもめ』、『三人姉妹』と並び、チェーホフの四大戯曲と呼ばれる作品のうちのひとつです。 退職した大学教授セレブリャコーフが、病気を患って引っ越してきた田舎の領地がこの作品の舞台です。この領地は、セレブリャコーフの前の妻の地所であり、その前妻の兄であるワーニャ伯父さんが長年 […]
『トカトントン』は、1947年に発表された短編小説です。太宰治自身がもらったファンレターからヒントを得て書いた作品で、ある青年が、愛読している作家に出した手紙という体裁になっています。青年は自分の苦悩を作家に相談します。何かに熱中し、その感動がピークに達しようとするその時に、いつも「トカトントン」という金づちのような音が聞こえてくるのです。そしてその「トカトントン」を聞いてしまうと、その青年は今 […]